アルペジエーター、リフ・ジェネレーター、シーケンサーであるこのMax For Liveデバイスは、極めてシンプルなMIDIパターンを展開する音楽の連続体へと変化させます。エレクトロニック・ミュージックのレジェンドColdcutならではの現代的なサウンドをとらえたエレクトロニック/アコースティックのハイブリッドなInstrument/Effects Racksのコレクションも付属。
Max for Live
MidiVolve
制作: Coldcut
USD 49
Coldcut(Matt BlackとJonathan More)によりデザインされ、Steve Reich(スティーヴ・ライヒ)の『Music for 18 Musicians(18人の音楽家のための音楽)』にインスピレーションを受けているMidiVolveは、生またはインポートされたMIDIパターンを新しいリフ、メロディ、グルーヴへと自動的に「進化」させるMax For Live アルペジエーター、リフ・ジェネレーター、パターン・シーケンサーです。
進化と変異
ノートは、PushやMIDIキーボードから、または同じトラック上のMIDIクリップを再生することで、MidiVolveのシーケンサー・ウィンドウに入力できます。[Arp](アルペジエーター)モードではアルペジオが生成されます。[Riff](リフ)モードでは自動生成される自由形式のメロディ・パターンの基盤を作成できます。シーケンスを配置した状態で[Evolve]ボタンをクリックすると、ノートのピッチ([Pitch])、ベロシティ([Velocity])、デュレーション([Duration])、密度([Density])、垂直位置([Swap])が即座に変化します。また、自由にアサイン可能な2つの[Map]パラメーターで新しいシーケンスを作成したり、[Auto](自動)モードをオンにして現在または当初のシーケンスをサイクル(1~32)毎に再変化させたりできます。変化毎に適用される確率、範囲、方向、変化の量はそれぞれ調整できるため、いくつかのパラメーターだけを変化させて繊細でオーガニックな推移にすることも、すべてを変化させて極端に変形させることも可能です。もちろん、7つすべてのパラメーターにはシーケンサー内で直接いつでも手動で独自の編集を行うこともできます。各パラメーターは個別および全体として変化します。
グローバル操作もいくつか用意されており、シーケンスをさらにシェイピング可能です。ノートピッチはユーザー定義の調や音階に合致させたり範囲を制限したりでき、またシーケンスの長さ(1~64ステップ)、再生方向、スピード、スイングを調整することもできます。また、[Euclidian](ユークリッド)クロックを使用することで変則リズムやフィルも取り込めます。
MidiVolveを既存のクリップやミニマルなライブ入力から独創性にあふれるラインを生み出すパワフルでクリエイティブなシステムにしているのは、――クリック毎または時間の経過に伴って自動で――シーケンスの変化を高度にカスタマイズできる機能です。また、発展したパターンのLiveセッションビューへの転送は、[Export]ボタンを押すだけと簡単。すぐさま次の空のクリップ・スロットに挿入されます。
インスピレーションを与えるサウンド
また、MidiVolve専用に構築された11のユニークなInstrument Rack(プリセット数は60)、8つのAudio Effect Rackも含まれています。ヨハネスブルグのミュージシャンでサンプリストであるBehrとのコラボレーションにより開発されたこれらのRackには、ColdcutサウンドのエッセンスをユーザーのLiveライブラリへともたらす音楽ツールの基盤として幅広いアフリカ楽器とColdcutの個人的なアーカイブから集められた多様なサンプルが使用されています。「アナログとデジタル、人間とマシン、古いものと新しいものの組み合わせこそがColdcutである」とBlackも認めています。
万能なツール
音楽理論の知識を必要としない、思いのままに音の進化のプロセスに没頭できる直感的なインターフェースにより、MidiVolveは、新しいベースラインやリフを素早く生み出したいビートメイカーからマルチメディア・インスタレーションやスタジオ・プロジェクト向けにジェネレーティブな作曲システムを必要としているはいコンセプトなエレクトロニック・アーティストまで、ありとあらゆるプロデューサーに最適です。Black自身は次のように説明しています。「音楽アイデアを作成し変化させるための次世代のワープ・ドライブ・シーケンサーだ」