1. Liveをご利用いただきありがとうございます

1.1 Abletonチーム一同より: 謝辞

Liveは、コンピューターを使った作曲、音楽制作、ライブパフォーマンスをさらに優れたものにしたいというミュージシャンの熱意によって生まれたソフトウェアです。 操作が簡単で楽しくなるよう改良を重ね、アプリケーションの洗練度は高まり、機能はますます充実度を増しています。Liveを使った音楽制作の可能性は無限大に拡がっています。 こういった私たちの努力に終わりはありません。まさに今、こうしてこの文章をお読みいただいている間にも、Liveは進化を続けています。 ableton.comアカウント https://www.ableton.com/ja/account/参照) を開くか、[ヘルプ]メニューの[アップデートを確認]コマンドを選択します。 

Liveにより皆様の音楽活動がさらに充実したものになりますことを、チーム一同心より願っております。

Abletonチーム一同

1.2 Live 11の新機能

1.2.1 Ableton Cloud

Ableton Cloud(「Ableton Cloudを使用する」参照)は、NoteセットをLiveのブラウザーおよびiOSデバイス間でダイレクトに送信するサービスです。

Liveブラウザーの[クラウド]タブの[変更日]列は[クラウド変更日]として表示されるようになりました。

1.2.2 アレンジメントビューの機能向上

新しい[クリップ端にクロスフェードを作成]コマンドは、4ミリ秒のクロスフェードをクリップ端に作成します。 このコマンドは、[作成]メニュー、アレンジメントクリップのコンテキストメニュー、またはCtrl+Alt+F(Win)/Cmd+Alt+F(Mac)キーボードショートカットで利用できます。

上下矢印キーでオートメーションとテイクレーンヘッダーの選択を変更することができます。 また、Shiftキーと上下矢印キーでレーンヘッダーの選択範囲を拡張できます。

Ctrl(Win)/Cmd(Mac)と上下矢印キーでオートメーションレーンやテイクレーンを移動できます。

選択したオートメーションレーンまたはテイクレーンは、Alt+「+」またはAlt+「-」を押すか、Altキーを押したままマウスホイール/ピンチジェスチャーを使用して、縦方向にサイズを変更できます。

アレンジメントで[時間選択範囲にズーム]コマンドを使用した場合、Liveでは最初水平方向にしかズームしないようになりました。 このコマンドを再び(時間選択は変更せずに)使用すると、Liveは垂直方向にもズームします。 3回目に使用すると、最初の垂直方向のズーム状態に戻ります。

左矢印キーを使用してオートメーションレーンまたはテイクレーンからメイントラックに移動することができます。 また、左矢印キーを使用してグループ内のトラックからメインのグループトラックに移動できます。

選択されているトラックやオートメーションレーンは、左右の矢印キーを使って折りたたむ/展開できます。

テイクレーンヘッダーまたはオートメーションレーンヘッダーが選択されている状態で「S」キーでトラックをソロに、「C」キーでトラックをアームすることができます。

アレンジメントクリップ名を変更中にTab/Shift+Tabを押すと、同じトラックまたはテイクレーンの次の/前のクリップが選択されます。

1.2.3 ブラウザーの機能向上

テンプレートのラベル(「テンプレートセット」参照)がブラウザーのカテゴリに追加されました。 ここには、ファクトリーパック(主要ライブラリを含む)、ユーザーライブラリ、プロジェクトの各フォルダーののテンプレートLiveセットが表示されます。

グルーヴのラベル(「グルーヴを使用する」参照)も追加されています。 ここには、主要ライブラリおよびユーザーライブラリのすべてのグルーヴが表示されます。

オーディオエフェクト内ののデバイスラベルはフォルダーにグループ化されました。 Ctrl(Win)/Cmd(Mac)を押すことで複数のフォルダーをまとめて展開することができます。

Ableton公式のMax for Liveデバイスは、オーディオエフェクト、MIDIエフェクト、インストゥルメントの各ラベルにリストされるようになりました。

ブラウザーをCtrl+Alt+B(Win)/Cmd+Alt+B(Mac)のキーボードショートカットで開くと、ブラウザーにフォーカスが当たります。

ブラウザー内にLiveセットを表示および展開すると、少なくとも1つのデバイスを含むトラック上のデバイスチェーンに新しいデバイスアイコンが表示されます。

1.2.4 MIDIキャプチャのアップデート

[MIDIをキャプチャ]にMPEが追加されました。

(トランスポート停止中の空のセットにある)最初にキャプチャされたMIDIクリップで、削除されたループが8小節未満である場合、最初に再生されたノートがループスタートと見なされます。

(トランスポート停止中の空のセットにある)最初にキャプチャしたMIDIクリップで1つのノートしか演奏されていない場合、ループの境界はノートの開始位置と終了位置に設定され、テンポはそれに応じて計算され、1、2、4、または8小節のループになります。 この機能は、リズミカルなサンプルを1つのMIDIノートで演奏する場合に特に便利です。

セッションビューで、新規にキャプチャしたクリップに、固定グリッドではなく適応グリッドの[狭]設定(1/16)が使用されるようになりました。

MIDIキャプチャの結果が、対象トラックのそれまでのキャプチャ試行により設定されるソングテンポに影響を受けなくなりました。

Liveのトランスポート動作中、MIDIキャプチャはキャプチャされたクリップ内により長いフレーズを残します。

1.2.5 クリップビューのアップデート

クリップ編集時の画面空間の使用が向上しました。

クリップビュープロパティ(「クリップタブ/パネル」参照)は、マウスカーソルをサンプルエディター/MIDIノートエディター横のクリップビューパネル端から左に動かすことで、縦に並べることができます。

クリップビューのプロパティは、自動(クリップビューエリアの高さに応じて横と縦の表示を切り替える)で並べることもできます。 このオプションを有効にするには、[表示]メニューの[クリップビューパネルを自動的に配置]を選択します。

Alt+1を押すとオーディオ/ノートタブに、Alt+2を押すとエンベロープタブに、MIDIクリップが選択されている場合はAlt+3を押すとノートエクスプレッションタブにそれぞれ切り替わります。

ピッチコントロールに、半音単位でトランスポーズするダイヤルコントロールと、セント単位で微調整するテキストスライダーコントロールが搭載されました(これまではトランスポーズ/デチューン)。

クリップボリュームは、エンベロープタブのデバイス/コントロールセレクターと取り消し履歴内で「クリップゲイン」に名前が変更になりました。

オーディオタブのクリップゲインコントロールは縦スライダーに戻り、トランスポートコントロールの上に配置換えされました。

オーディオタブのリバースボタンはテキストではなくアイコンになりました。 リバースと編集のボタンの位置は隣り合わせになりました。

クリップゲイン値の異なる複数のオーディオクリップが選択されている場合、その値範囲はクリップゲインスライダーの三角形ハンドルで表示されます。

1.2.6 コンピング

アレンジメントビューでコンピング(「コンピング」参照)を使用できるようになりました。

コンピングでは、録音した複数のテイクの良い部分だけを選び、ひとつのトラックへと組み合わせることができます。

録音を停止することなく、演奏のテイクを複数回録音することができます。 録音したものから個別のテイクが作成/配置され、そこからお気に入りの部分を選んでつなぎ合わせられるようになります。

サンプルをライブラリからドラッグして、コンピングをクリエイティブなサンプルチョップツールとして使用することもできます。

1.2.7 CPUメーターのアップデート

CPUメーター(「CPUロードメーター」参照)のドロップダウンメニューがカスタマイズ可能になり、[平均]または[現在]のCPU使用レベルの両方を表示させることができるようになりました。 また、CPUメーターを完全にオフにすることもできます。

デフォルトでは、Liveには[現在]レベルは表示されません。 表示させるには、ドロップダウンメニューから有効にする必要があります。

コントロールバーの過負荷インジケーター(旧:ディスク過負荷インジケーター)のデザインが見直され、CPU過負荷が生じると点灯するようになりました。

過負荷インジケーターはLive 11以降ではデフォルトでは無効になります。

CPU過負荷警告は、過負荷インジケーターのコンテキストメニューにあるエントリから無効にできます。

セッションビューのミキサーセクションにあるCPUメーターセクションの表示/非表示セレクターをクリックすると、トラック毎のCPUメーターセクションが開きます。 各トラックに独自のCPUメーターが表示され、6つの三角形が点灯して現在のLiveセットのCPUレベルへの各トラックの影響を示します。

1.2.8 追加デバイスと機能向上

Drift(「Drift」参照)は減算合成をベースとする新インストゥルメントで、幅広い音響パレットでインスピレーション溢れるサウンドをすばやく作成するのに使用できます。

Hybrid Reverb(「Hybrid Reverb」参照)は、コンボリューションリバーブをいくつかのリバーブアルゴリズムと組み合わせることができる新オーディオエフェクトです。

Spectral Time(「Spectral Time」参照)は、タイムフリーズとスペクトルディレイの効果をひとつのデバイスに組み合わせた新オーディオエフェクトです。

Spectral Resonator(「Spectral Resonator」参照)は、スペクトル処理をベースとする新オーディオエフェクトで、スペクトル共振と楽音を使用して任意のオーディオソースに音響特性を加えます。

Chorus-Ensemble(「Chorus-Ensemble」参照)は、2種類のコーラスモードとピッチ変動を生み出すビブラートモードを搭載したオーディオエフェクトです。

Phaser-Flange(「Phaser-Flanger」参照)は、PhaserとFlangerの機能を個別のエフェクトモードとしてひとつのデバイスに組み合わせた新オーディオエフェクトです。

Shifter(「Shifter」参照)は、ピッチシフト、周波数シフト、リングモジュレーション用にデザインされた新オーディオエフェクトです。

Redux(「Redux」参照)には、強烈なディストーションやデジタル/エイリアシングノイズから温かみのあるファットな8-bitサウンドまでより幅広いサウンドの作成に使用できる新パラメーターが追加されました。

External Instrument(「External Instrument」参照)がLive Introで使用可能になりました。

Reduxデバイスを右クリック(Win)/Ctrl-クリック(Mac)すると表示されるコンテキストメニューに[ハイクオリティ]オプションが追加されました。 Reduxを[ハイクオリティ]がオフの状態で使用すると、CPU使用率をいくらか下げることができます。

Wavetableを(Win)/-クリック(Mac)すると表示されるコンテキストメニューに[ハイクオリティ]オプション(「ハイクオリティモード」参照)が追加されました。 Wavetableを[ハイクオリティ]がオフの状態で使用すると、オンの場合に比べてCPU使用率を25%節約できます。

WavetableはMPEコントローラーを使用してフルにコントロールできるようになりました。

MPE Control(「MPE Control」参照)は、MPEソースを独自のタブで表示し、詳細設定を行えるよう再設計されました。

Align Delay(「Align Delay」参照)は新しいMax for Liveオーディオエフェクトで、入力される信号をサンプル、ミリ秒、メートル/フィートの各単位で遅延させます。

Shaper MIDI(「Shaper MIDI」参照)は新しいLive MIDIエフェクトで、マルチブレークポイントエンベロープを使用してマッピング可能なモジュレーションデータを生成します。

MIDI Monitor(「MIDI Monitor」参照)は、入力されるMPEデータが専用のビューに表示されるようになりました。

Note Echo(「Note Echo」参照)は、MPEデータをエコーされているMIDIノートと共にエコーできるようになりました。

Tension(「Tension」参照)、Electric(「Electric」参照)、Corpus(「Corpus」参照)、Collision(「Collision」参照)の各デバイスでUIの外観がアップデートされています。

MPE対応がAnalog、Collision、Electric(ノート毎のピッチベンドのみ)、Tensionの各デバイスに追加されました。

SamplerとSimplerがMPEに対応しました。 また、MPE/Push 2のプレッシャーモードを使用してSamplerとSimplerの各ノートをモジュレートすることができるようになりました。

MPEマッピングがMPE対応のインストゥルメントで向上しました。

Instrumento Rack内に表示されているマクロコントロールの数を、Max for Liveデバイスまたはコントロールサーフェスからコントロールできるようになりました。

Wavetable、Echo、Simpler、Sampler、Operator、Auto Filterの各デバイスで使用されているCytomicフィルターがアップデートされ、安定性、サウンド、パフォーマンスが向上しました。 11.1以降、Cytomicフィルター(特にMS2とSMPオプション)はこれまでのバージョンのLiveに比べてサウンドが異なっています。

Softubeライブラリのアップデートにより、AmpとCabinetオーディオエフェクトでサウンドが微妙に変化することがあります。

Tunerデバイスに、シャープ(C#)、フラット(D♭)、シャープとフラット(C#/D♭)の3つの新音符表記オプションが追加されました。 TunerのUIの任意箇所を右クリックしてこれらのオプションを含むメニューにアクセスできます。

Tunerインターフェースをクリックしてカーソルを水平方向にどらっぐすることで、ヒストグラムビューを完全にズームアウトできるようになりました。

Delayデバイスに、コンテキストメニューの[ハイクオリティ]モードオプションが追加されました。 ハイクオリティをオフにするとCPUリソース消費が減ります。

Channel EQデバイスのCPUリソース消費が低下しました。

Pitch MIDIエフェクトのUIがわずかに更新されました。

Audio/MIDI Effect Rackで、追加されたデバイスに応じてチェーンに自動で名前が付けられるようになりました。

1.2.9 フォローアクション

フォローアクションは新しいシーンビューからシーンにアサインできるようになりました。 クリップのフォローアクションは、シーンのフォローアクションが作成またはスケジュールされる際にそのまま動作を続けますが、シーンのフォローアクションはトリガーされると優先されます。

フォローアクションは選択されているクリップ/シーンのフォローアクションボタンを使用して有効/無効にできます。 このボタンはデフォルトではオフで、Shift+Enterのキーボードショートカットを使用して切り替えることができます。

[フォローアクションをグローバルに有効化]ボタンがセッションビューの[アレンジメントに戻る]ボタンの横に追加されました。 オフの場合、Liveセットでフォローアクションは生じません。

フォローアクションのチャンスAとチャンスBの値は足して100%のパーセント値で表示されるようになりました。 これらの値は新しいスライダーコントロールを使用して変更できます。

フォローアクションのチャンススライダーは、複数の異なる値を表示する際、シンプルな黒のバーではなく分割された三角形として表示される用になりました。

1.2.10 インターフェースの機能向上

Liveのテーマが一新され、よりコントラストが強くなりました。

[自動色数を減らす]トグルが[Look/Feel]環境設定に追加されました。 クリップやトラックに色を割り当てる際に縮小カラーパレットが使用されます。 これにより、緑色覚異常、赤色覚異常、青色覚異常といった色覚特性でクリップとトラックを区別しやすくなります。

アレンジメントビューや詳細ビューでグリッド線をより強調または淡く表示させることができます。

[トラックをアーム]コマンドが[編集]メニューに追加されました。 複数のトラックが選択されている場合、コマンドは[トラックをアーム]と表示されます。 選択されているトラックがアーム状態の場合、このコマンドは[トラックのアームを解除]になります。 選択されているトラックのアームにCのショートカットキーを使用できるようになりました。

[編集]メニューが整理され、使いやすさとアクセス性が向上しました。 また、トラックのソロ/ソロ解除のエントリが追加されています。

ダブルクリックまたはEnterキーを押してグルーヴファイルをブラウザーからロードし、グルーヴをグルーヴプールに追加するかグルーヴを抽出するとグルーヴプールが自動で開くようになりました。

左右矢印キーを使用してLive内のラジオボタンを操作できるようになりました。 Rackに含まれるデバイスのラジオボタンを左右矢印キーで操作する場合、Escキーを押して左右矢印キーを使用することでRack内のデバイス間を移動できます。

セッションビューとアレンジメントビューで、モニターラジオボタンにデフォルト状態が設定され、その状態に復元できるようになりました。 In/Outセクションが展開されている際、Deleteキーを押してモニターラジオボタンをデフォルトに戻す(オーディオトラックは[Off]、MIDIトラックは[Auto])ことができます。 このオプションは、[編集]メニューの[デフォルトに戻る]オプションからもアクセスできます。

自動アップデートがダウンロードできない場合、エラーメッセージがステータスバーに表示されるようになりました。

新エントリ[MIDIエンベロープ自動リセット]が[オプション]メニューに追加されました。 オンの場合、指定のクリップに対してオートメーションが設定されていない特定の種類のMIDIコントロールメッセージが新規クリップのスタート時に自動でリセットします。

macOSバージョン10.14以降のフランス語配キーボード配置向けキーボードショートカットに対応しました。 数字を含むキーボードショートカットは数字キーにアクセスするためのShiftキーを押さなくても利用可能になりました。

オーディオエンジンは[オプション]メニューの[オーディオエンジン オン]エントリ、または、Ctrl+Alt+Shift+E(Win)/Cmd+Alt+Shift+E(Mac)のキーボードショートカットでオンとオフを切り替え可能になりました。

[ファイル]メニューの[Liveセットをテンプレートとして保存]または[Liveセットをデフォルトセットとして保存]コマンドでセットを保存すると、ファイルマネージャーの[集めて保存]機能を使用するセットと同じように自動的に自己完結になります。

Live環境設定とダイアログのアイコンが向上しています。

Liveクリップ(.alc)ファイル用のアイコンは、ブラウザー内のオーディオとMIDIコンテンツ間で異なるアイコンになりました。

リスト表示(グルーヴプールやデバイスチェーンなど)でのドラッグ&ドロップ動作が向上しました。 ターゲット項目の前に挿入されるのではなく、カーソルをターゲット項目のどちら半分に重ねるかに応じて配置される場所が変わります。 また、コピーの修飾キーAltの動作の一貫性が向上しました。

1.2.11 リンクトラック編集

リンクトラック編集(「リンクトラック編集」参照)がアレンジメントビューに導入されました。

リンクトラック編集では、コンピングのワークフローとその他の位相同期編集を複数のトラックに同時に実行できます。

アレンジメントビュー内の任意のトラックは、リンクさせて内容を同時編集できます。 セット内にはリンクトラックのインスタンスを複数作成できますが、各トラックはこれらのインスタンスのいずれかにしか属しません。

1.2.12 Max for Liveアップデート

バンドルのMaxビルドが最新バージョンにアップデートされました。

Max for LiveデバイスへのMPE入出力に対応しました。

Expression Controlデバイスで追加パラメーターをマッピング対象として割り当てることができるようになりました。

Max for Liveデバイスはすべてアプリケーションバンドル内に移動しました(以前はコアライブラリ内にありました)。 これで、[すべてを集めて保存]でデバイスの冗長コピーが作成されなくなります。

Link機能がMax for Live APIに追加されました。

Maxのロードに失敗した場合、この問題の潜在的な原因と解決手順を説明するナレッジベース記事へのリンクを含むエラーメッセージが表示されます。

Maxウィンドウでのエラーレポートの一貫性が向上しました。

Max for Liveに4つのテーマカラーが追加されました。

オーディオドライバー入出力レイテンシーが外部ターゲットへのオーディオルーティングを含むMax for Liveデバイスにも考慮されるようになりました。 必要に応じて、ユーザーはOptions.txtファイルで-DisableM4LRoutingCompensationオプションを使用して以前の動作を復元できます。

time_signature_numerator、time_signature_denominator、time_signature_enabled、tempo_enabledの各プロパティをMax for Live APIで使用できるようになりました。

1.2.13 MIDIクリップスケール

新しいスケールモードをMIDIクリップの[クリップ]タブにある[スケール]ボタンで有効化/無効化できます(「MIDIクリップスケール」参照)。

デフォルトでは、選択したスケールに属するキートラックがMIDIノートエディターで強調表示され、その根音がピアノロールで強調表示されます。

新規作成されたMIDIクリップは、スケールモードが無効であっても、以前に編集または表示されたクリップスケールを継承します。 キーやスケールの設定が異なる複数のクリップを編集すると、スケールモードが有効な前景のクリップによりグローバル設定が更新され、新規クリップの作成とPushのキーとスケールに使用されます。

1.2.14 MIDIノート編集

新しいチャンスエディターでは、再生中のクリップ内に生じるMIDIノートの確率を設定できます(「確率を変更する」参照)。 ノートの確率マーカーを上下にドラッグして、確率値を0〜100%で変更できます。

ベロシティレンジを表示して編集することが可能になりました。ノートが再生される際にベロシティ値が選択される範囲を設定します。 [ノート]タブの[ベロシティレンジ]スライダー(「ベロシティレンジスライダー」参照)で、ベロシティレンジを選択されているノート(ノートが選択されていない場合はクリップ全体)に割り当てることができます。

[ランダマイズ]ボタンでは、フォーカスされているレーンに応じて、選択されているノート(または選択されているマーカーのあるノート)のベロシティ/確率の値をランダマイズできます。 マーカーが選択されていない場合、すべてのノートの値がランダマイズされます。

ベロシティとチャンスエディターのレーンは左のレーンセレクタートグルボタンで表示と非表示を切り替えることができます。 レーンセレクタートグルボタンの下には三角形のトグルボタンがあり、有効なレーンすべてを同時に表示または非表示にできます。

ベロシティとチャンスエディターレーンは、レーンとMIDIノートエディターの間の分割線をドラッグして同時にサイズを変更できます。

Live環境設定の[Record/Warp/Launch]タブにある[MIDIノート描画]セクションには、[ピッチロックありのドローモード]オプションがあります。 有効な場合、MIDIノートの描画は一度にひとつのキートラック(またはピッチ)に制約されます。 Altキーを押したまま操作するとフリーハンドでメロディを描画できます。

Ctrl(Win)/Alt(Mac)と上下矢印キーを使用してMIDIノートエディター内のノート選択を変更できるようになりました。

1.2.15 MPE対応と編集

MIDI Polyphonic Expression(MPE)に対応しました(「MPEを編集する」参照)。

スライド、プレッシャー、ベロシティ、リリースベロシティは、MIDIノートエディター下の新しいエクスプレッションレーンに表示されます。

ノートが移動すると、そのエクスプレッションエンベロープも合わせて移動します。

MIDIトラックメーターには、MPEの音符単位のコントローラーチェンジが表示されるようになりました。 音符単位のコントローラーチェンジがそのメーターを通過すると、メーターの一番下の点が青く点灯します。

MIDI出力がありMPEが有効なプラグインデバイスはMPEを出力できるようになりました。

LiveミキサーのI/OセクションにMPE設定ダイアログボックスが追加されました(「MPE/マルチチャンネル設定」参照)。

1.2.16 マルチクリップ編集

新しいフォーカスボタンはフォーカスモードを有効にします(「フォーカスモード」参照)。これで現在の前景クリップのみを編集できます。 フォーカスモードは「N」のキーボードショートカットで切り替えることができます。

ループはマウス操作で表示および編集可能になりました。

少なくとも1つのノートが選択されている場合、[反転]ボタンが[ノート]タブで有効になります。 複数のクリップから選択されているノートを同時に反転させることができます。

時間選択、ノート選択、ノート編集オプションがマルチクリップ編集に追加されました。

1.2.17 プラグイン

macOS 10.15以降でAudio Unit v3プラグイン(AUv3)に対応しました。 ブラウザーの[プラグイン]カテゴリにあるAUv3プラグインにアクセスするには、Live環境設定の[Plug-Ins]タブで[Audio Units v3を使用]をオンにします。

1.2.18 Push 2デバイスのビジュアル表示

Push 2では、Hybrid Reverbパラメーターバンク[Algorithm 1]と[Algorithm 2]の名前が変更されました。 また、Hybrid Reverbの一部のパラメーターが並び変えられ、より操作しやすくなりました。

Push 2のChorus-Ensembleデバイスのパラメーター名が一部アップデートされました。

Push 2のSamplerのLFO波形の上向きノコギリと下向きノコギリのアイコンが正しく表示されるようになりました。

ReverbデバイスのPush 2マッピングが見直され、新機能のパラメーターが追加されています。

Push 2で、ASSデバイス(Analog、Collision、Tension、Electric)パラメーター名が改良され、UIパラメーター名と合致するようになり、分かりやすくなりました。

1.2.19 Push 2のMIDIクリップモード

Push 2の[In Key]/[Chromatic]が[In Key]モードに設定されており、選択されているMIDIクリップで[Scale]モードが有効な場合、Push 2で選択されているスケールでLiveのクリップのスケールが更新されます。

マルチクリップ編集でフォーカスモードが有効な場合、前景クリップのキーとスケールのみがLiveで更新されます。

Push 2の[In Key]/[Chromatic]が[In Key]モードに設定されており、選択されているMIDIクリップで[Scale]モードが有効な場合、Liveでスケールを選択するとPush 2のパッドレイアウトが変更されます。

1.2.20 その他のPush 1および2の機能向上

MPE Controlは新しいMax for Live MIDIエフェクトで、入力されるプレッシャー(ポリフォニックアフタータッチ)、スライド(ノート単位のY軸)、ピッチ(ノート単位のピッチベンド)のMPEモジュレーションのシェイピングと変換に使用できます。

Push 2とポリフォニックアフタータッチを送信するMIDIコントローラーを、ポリフォニックアフタータッチに対応するプラグインデバイスと一緒に使用できます。

Push 2の[Pressure]モードが[Poly]に設定されている場合、[Repeat]ボタンを押すと、[Accent]が有効な場合ノートがフルベロシティで生成されます。

Rackに新しいマクロコントロール(Macro 9-16など)のいずれかにマッピングされたパラメーターが含まれている場合、追加マクロコントロールパラメーターがRackの新規デバイス内に表示されます。 そのデバイスのRackを区別するのに、角度記号アイコン(Push 1)または箇条書きアイコン(Push 2)が使用されます。

複数のMIDIクリップを同時に編集する際、接続しているPushデバイスが強調表示されているトラック/シーン変更と対応するトラックのフォーカスに追従するようになりました。

シーンの通知スタイルがアップデートされ、また絶対位置、テンポ、拍子がPush 2上に含まれるようシーン名表示がアップデートされました。

1.2.21 Rackとマクロコントロールの機能向上

Liveのマクロコントロール(「マクロコントロール」参照)の最大使用可能数が2倍の16に拡大しました。 Rackの新しい「+」と「-」ボタンでは、表示されるマクロコントロールの数を設定できます。

Rackの[マクロコントロールバリエーションを表示/非表示]セレクターボタンでは、マクロコントロールの状態をバリエーションプリセットとして保存できるビューを開くことができます。

Rackのタイトルバーにある[Rand]ボタンを押すと、マップされたマクロコントロールの値がランダム化されます。

1.2.22 セッションビューの機能向上

シーン(1つまたは複数)を選択するとシーンビューが開きます(「シーンビュー」参照)。ここでは、選択されているシーンのテンポ、拍子、フォローアクションを編集できます。

シーン番号はマスタートラックの新規列に表示されるようになりました。

マスタートラックのタイトルヘッダーの左端をドラッグすると2つの新コントロールが表示されます。 ここではテンポまたは拍子をシーンに割り当てることができます。

選択されている複数のクリップの名前を同時に変更できるようになりました。 右クリック(Win)/Ctrl-クリック(Mac)で開くコンテキストメニュー、[編集]メニュー、またはCtrl+R(Win)/Cmd+R(Mac)キーボードショートカットを使用して[名称変更]コマンドを使用します。

マスタートラックを右クリック(Win)/Ctrl-クリック(Mac)すると表示されるコンテキストメニューに[シーンローンチをキャンセル]が追加されました。 このエントリをクリックすると、それ以前にトリガーされているシーンのローンチがキャンセルされます。

セッションビューの複数のラックチェーンの名前を同時に変更できるようになりました。

1.2.23 設定の機能向上

Liveは.midi拡張子を持つMIDIファイルに対応しています。

バージョン11.2.10より、macOSのLive環境設定にある[Audio]タブのオーディオ入出力セレクターに[システムデバイスを使用]オプションが追加されました。 [システムデバイスを使用]を選択すると、Liveの入力/出力デバイスがmacOSのサウンドシステム環境設定での設定に合致するよう設定されます。

バージョン11.1より、LiveはAppleシリコンコンピューターにネイティブ対応しました。

LiveのアップデートがダウンロードされるとLiveステータスバーに表示されるようになりました。 ダウンロードが完了すると、ステータスバーにアップデートを適用するにはLiveを再起動する必要があることが表示されます。

ReWireのサポートは削除されました。

非互換性を避けるため、旧バージョンのLiveで作成したLiveセットはLive 11.2で新規ファイルとして保存することを要求されます。

Live環境設定の[カスタマイズ]セクションが[ディスプレイのカスタマイズ]と変更され、[ディスプレイをズーム]設定が追加されました。

1.2.24 テンポフォロワー

テンポフォロワー(「テンポフォロワー」参照)が追加されました。テンポフォロワーはドラマーや別のリズムソースと同期するようLiveのテンポを調整します。

[テンポフォロワー]セクションは、Live環境設定の[Link/Tempo/MIDI]タブに追加されました。 [テンポフォロワートグルを表示]スイッチでコントロールバーの追従ボタンの表示と非表示を切り替えます。

[入力チャンネル(外部インスト)]セレクターではテンポの追従先チャンネルを選択できます。 また、各チャンネルのレベルメーターが表示されます。