2014年の最後は、今年紹介したビデオの中から特に印象的だった5本を改めてご紹介。イェール大学からスウェーデンの森までさまざまな内容を紹介した一連のビデオは、どれもインスピレーション豊かでひらめきを与えてくれます。ヒューマン・ボイスとテクノロジ―のパワーが美しい何かへと融合する様子、Minilogueの圧倒のスタジオ機材、Ira Glassのクリエイティビティについての含蓄ある言葉など、刺激たっぷりの内容です。それではお楽しみください!
1/ A.Squaredがジェイムス・ブレイクをアカペラでカバー
合唱であれインストゥルメンタル・ダンス・ミュージックであれ、アカペラ・パフォーマンスには私たちの中にある原始的な何かを揺さぶる力があります。人間の声が編み出すデリケートな螺旋と繰り返される高まりは、人間が長い年月の中で作り上げてきたものです。我々の祖先がLiveを持っていなかったのは残念としかいいようがありません。イェール大学のボーカル・グループA.Squaredがライブ・ルーピング、エフェクト、自身の声だけを使用して、ジェイムス・ブレイクの『Retrograde』を21世紀の合唱曲へと変化させています。
グループ・メンバーJacob Reskeのインタビュー全文を読む
2/ マルメの森にたたずむMinilogueのスタジオ
次は、今年一番機材オタクをあっといわせたビデオをご紹介。度肝を抜かれるMinilogueのビンテージ・シンセ、エフェクト・ペダル、ラック・エフェクト、ミキシング・ボードの数々は、マニアを腰砕けにするに十分です。さらに驚きなのは、これらの機材がすべてスカンジナビアの森に建つキャビンに収められていること。知覚を研ぎ澄ますための秘密がここにあります。このビデオが伝えるメッセージは表層的なものだけではありません。このデュオは、豊富なツールの世俗的な意味を超越するホリスティックな見地をクリエイティビティに対して持っています。
3/ AbayomiがPushを完全コントロール
次は、AbletonのJesse AbayomiがPushを限界まで追い込むビデオ2本をご紹介しましょう。AbayomiはPushのパワフルな機能をいくつか紹介し、リアルタイム・ドラミング、ステップ・シーケンシング、マクロエフェクト・コントロール、サンプル・スライシングを使用して彼の最新トラック『Chemistry』を演奏しています。2つ目のビデオではすべての種明かしがされているので、年末年始の休暇中にビデオのヒントをもとに独自のアイデアを実現してみるのはいかがでしょう。
JesseによるPush向けLiveセット構築の手順説明を含む記事全文を読む.
4/ Kawehiがニルヴァーナの『ハート・シェイプト・ボックス』をカバー
こちらも、声と最新テクノロジーが古い観点に新たなアングルをもたらす好例です。『ハート・シェイプト・ボックス』は哀愁と苦しみに満ちたニルヴァーナの作品のひとつですが、Kawehiはこれをライブ・ルーピングとリピッチ・サンプルを使用して斬新なカバーを作り上げています。
5/ Ira Glass、理想との隔たりを埋めるには
最後は元気の出る記事で締めくくりを。クリエイティブな目標と自分の才能にあまりにも大きなギャップがあるように感じられるなら、このビデオをぜひご覧ください。このビデオは、悪戦苦闘しながらも懸命に取り組む期間がいかにクリエイターにとって重要なものであるかを語るラジオ司会者Ira Glassの独白に鮮明な感情をもたらします。苦しみに飲み込まれてはいけません。すべては、あなたが内に秘めるアーティストになるための過程の一部なのです。