Toni Blackmanが語る“サイファーの叡智”
2018年に開催したサミット「Loop」では、複数のプレゼンターを招いて、個人的な観点や自身の得意分野から音楽制作の持つ一面について短いプレゼンテーションを行ってもらった。 今回紹介するのは、受賞歴を誇るアーティストであり、教育者でもあるToni Blackmanが語った“サイファーの叡智”だ。
サイファーとは何か? 基本的には、“ひとつの活動をしている人たちの輪”という意味にすぎない。 しかし、Toni Blackmanがフリースタイルラップのサイファーに参加し、のちに企画するようになった自身の経験について語っているように、適切な条件下では、この輪は、各参加者の能力がほかの参加者の能力によって増幅/増加する、一種の神聖な空間になり得る。 優れた即興表現者やコラボレーターになりたい音楽制作者にとって、積極的なリスニング、事前準備、物事の考え方といった点で、サイファーというフォーマットから学ぶことが多い。