録る音の大切さ:Jacques Greeneが語るコラボレーション
過去10年間の大半にわたって、トロントを拠点にするエレクトロニックミュージック・アーティストJacques Greeneは、感情を強く喚起する霧がかったダンスミュージックを量産してきた。 Jamie xxやHow to Dress Wellのほか、この10年間の多くのアーティストと同様、アンビエント、ハウス、Burial以降のダブステップ、R&Bといった要素を融合して、特定のかたちやジャンルを持たないようなサウンドを生み出すことで知られている。 過去の作品でGreene(本名Philippe Aubin-Dionne)が取り入れたのは、ラップトップを使った音作りと制作の無限ともいえる性質で、ハードウェアの音とR&Bのサンプルを取り込み編集することで、リバーブ感とまとまりのあるひとつの世界を作り上げている。 ところがLuckyMeからリリースされた最新作『Dawn Chorus』では、その音楽方針がひっくり返されることになった。
先日、Skypeで1時間近くかけて行った今回のインタビューで、Greeneは生楽器やボーカルのパフォーマンスを導入して高いコラボレーション性を実現したかったと語っている。 ただし『Dawn Chorus』は、Daft Punkが『Random Access Memories』でやったように楽器の演奏者を交えて往年の録音技術のコンセプトを回帰しているわけではない。 Greeneの音作りと技術はこれまでの取り組みと似ているが、今回に限っては他のミュージシャンのサンプルを使用しており、コラボレーション相手をレコーディングスタジオに連れてきたり、インストゥルメントのトラックをインターネットで送ってもらったりしている。
『Dawn Chorus』に参加した選りすぐりのアーティストの中には、Machinedrum、Clams Casino、ボーカリストのJuliana Barwick、カナダ人ラッパーのCadence Weaponなど、友人で頻繁にコラボレーションを行ってきた人が含まれている。 収録曲のうち3曲では、ハードコアパンクバンドRedd Krossでドラマーをしていた映画音楽作曲家のBrian Reitzellとも制作を行っている。きっかけは、Sophia Coppolaの『Lost in Translation』に向けてReitzellがMy Bloody ValentineのKevin Shieldsと制作したシューゲイズ感満載のサウンドトラックだ。
『Dawn Chorus』を聞くと、紛れもなくJacques Greeneのアルバムだとわかる。 ビート、メロディー、メランコリックな陶酔ムードは、間違いなく彼自身のものだ。 その一方で、コラボレーションという今回の新たなアプローチは同アルバムに有機的な特性を吹き込んでおり、Greeneの語るとおり、これまでとは違うかたちで生き生きとした作品になっている。
『Dawn Chorus』の制作プロセスについて尋ねるための前置きとして、これまでの制作プロセスについて教えてもらえますか? 作曲や音作りをどのようにしていたんでしょうか?
過去15年コンピュータを使った音楽制作を続けてきたけれど、正直なところ、良くも悪くも僕自身はそれほど大きく変化したとは思えないんだ(笑)。 かつての僕にとって、音楽を作るというのはギターを弾きまくってバンドで演奏するとか、そういうイメージだった。 ところが、Amon TobinやBoards of Canada、それにBonoboなどのエレクトロニカが一斉に出てきて、それをきっかけにエレクトロニックミュージックに出会った僕は「ひとりでも音楽を作れる」というアイデアにすっかり魅了されたんだ。 コンピュータが常に重要な部分を担っていたのは間違いないけど、個人的にはコンピュータに加えてハードウェアも必要だといつも考えていた。 だから、音楽制作を始めた当初は海賊版のFruity LoopsにAkai MPCを組み合わせていたんだ。
でも、かなり早い段階でLive 5に乗り換えたはずだよ。よくある話で、MIDIコントローラを買うとLive Liteがバンドルされていたでしょ? 「ソフトウェアは常に必要だけど、4トラックのレコーダーとして使うだけだからなぁ」っていつも思っていた。いくつかシンセやコンピュータを手に入れたよ。でも、コンピュータ内のシンセを使うことはあったけど、コンピュータの一番の用途はシーケンサーだった。 そうしていくうちに、自分のやりたいことが見えてきたんだと思う。 いつもコンピュータでドラムを打ち込むほうが多かった。 でも、どういうわけかシンセの音やメロディーについてはコンピュータで書いてもしっくりこないから、オーディオ録音してサンプルとして扱ってチョップしないといけない。
コンピュータミュージックでは音の可能性が無限にあるから、とんでもなく手ごわく感じる。なので僕は、ひとつの音やひとつのメロディーに集中しないといけない。 でもドラムだと逆。ぎりぎりまでスネアの位置を1ミリ秒単位で調整できるようじゃないとだめ。 そんなわけで、いつも僕の制作は決まったかたちがなくて、コンピュータの内部と外部を行き来しながら有機的にやっている。ラップトップで始めたものでさえ、すぐにバウンス録音でオーディオにしているよ。
そうすると、まずハードウェアで曲を構築して、それをLiveで記録して編集するようにしているんですね?
うん、そのとおり。 いくつか機材を持っているよ。TR-606とか。あのハイハットのミュート具合には特徴があるよね。 でも、なるべく上手にハイハットやスネア単体を録音しようとしても、ひとつのミックスにまとめるとどういうわけかひどい音になる。
3つのコードでコード進行させるときとか、シンセサイザーを使うときは、今でも9~10分ほど録音するようにしている。1分ごとに変化をつけるんだ。フィルターを開閉したり、アタックを遅くしたりしてね。 それが終わったら、「おっ、このフィルターの開き方はイントロに合いそうだな」って考えながらつなぎ合わせていく。 かなり集中してチョップして整えているよ。
なるほど。 細部に没入するというわけですね。
そうだね。このアプローチは変わっていない。 1曲全体をMPCで記録するようなことは絶対にないね。 MPCではドラムループをチョップして、それをラップトップに取り込むよ。
ビートの話題が出たところでお尋ねしたいのですが、今回のアルバムではBrian Reitzellとコラボレーションしましたね。彼はRedd Krossの元ドラマーであり、さらには『Lost In Translation』のサウンドトラックでKevin Shieldsと制作しています。 Brianとの制作はどんな感じでしたか?
Brianは素晴らしいよ。 彼はパンクバンドのドラマーだったから、とんでもなく刺激的だ。 「将来この人のようになれたら、僕の人生は大丈夫だな」って思える人と出会うことがあるけど、Brianはまさにそんな人だね (笑)。
2019年の春に3日間のレコーディングをしたんだ。 共同作曲者や共同プロデューサーとして雇うほどの余裕がなかったから、音楽のアイデアをすべて自分で用意しなきゃならなかった。 彼には追加で楽器を弾いてもらえばいいかなって。 それで、9割ほど仕上がった曲を持って彼のスタジオに行ったんだけど、その曲はLiveのプロジェクトでいかにもエレクトロニックミュージックって感じだった。 結局、完全にシューゲイズにはならなかった。そういうのは今の彼の気分じゃないから。
たとえば、『Sibling』という曲にはクールなアルペジオのシンセフレーズが入っていたんだけど、単なるシンセだったから、どうやって魅力的にしようか考えた。 まず、僕たちはこのシンセをいかにもKevin Shieldsっぽいディストーションに通して、ぶっとんだ倍音をいっぱい加ようとしたんだ。 でもBrianは、「そうだ、腕のかたちをしたロボットのマレットがあって先端にゴムが付いているから、このアルペジオのD#だけを叩かせて、このガムランに重ね録りしよう」と言うんだ。だから自分のプロジェクトから彼のコンピュータにMIDIを書き出して、そのアルペジオの全ノートを再録音した。そうやってロボットにガムラン上でノートをすべて叩かせたんだけど、すごくリアルなんだ。
Brianとはほかにどのようなことを試したのでしょう?
僕の曲でホワイトノイズを使っているものがあって、Brianは「ちょっといいかい? 金属板とたくさんの釘があるんだ。フィルターにかけて、それを使ってみないか?」と言うんだ。あとは、最初の部分でコード進行を行っている曲があって、それに対しては「代わりにCS80を使って弾いてみよう」と言ってきたんだ。 それで僕も「いいですね、やってみましょう」って。
Vangelisが『Blade Runner』で使用したシンセCS80を使ってみて、どうでしたか?
はっきり言ってじゃじゃ馬だったね。音程が狂いっぱなしなんだ。 古いやつだったから、状態は完全ではなかった。 すごく苦労させられたよ。 ほとんどの場合が、「これまで普通の乗用車に乗っていたのに、いきなりスーパーカーを操れと言われちゃったよ」って感じだった。 (笑)。
正直に言うと自分は不相応だと感じたよ。キーボードを扱えるとはいっても、凄腕のキーボードプレイヤーというわけではないからね。 そうしたらBrianに「コード進行を弾いてみろ」と言われたので、「ああ、それなら大丈夫だよ」って(笑)。 正直、自分の気に入るサウンドを見つけるのにすごく苦労する。 おかしいよね。CS80は楽曲の中心じゃなくて、背景で鳴るパッドにすぎなかったのに。
Brianをはじめとした年長のプロデューサーたちから嫌というほど教え込まれたのは、あとでそのサウンドにどのような処理をすることになろうと、常に最初の段階でできるかぎり高品位な録音をしておくことの大切さ。 高品質なドラムサンプルを用意したり、あるいは友人にベースを弾いてもらう場合でも、プリアンプを通してコンピュータに取り込んだりとかね。 僕が48kHzで録音していたことを知ったBrianにはこっぴどく叱られたよ。 「おいおい、これまで96kHzで録音したことがないっていうのか?」と言われたけど、「ごめんなさい、一度もないんです」と答えるしかなかった (笑)。
僕は少し劣化させたり加工されていたりする音に惹かれるんだけど、できるかぎり高品質な音源でいつも作業に取りかかろうと意識している。そうすれば劣化のさせがいがあるっていうか。
また、デモ段階でベースが録音されたトラックの多くを、彼のスタジオでStudio ElectronicsのCODEというシンセを使ってやり直した。 CODEはとてつもないラックマウント型のシンセで、 6,000ドルもする高価なモノシンセなんだ。使っているのはよほどの物好きだけさ。 これを使うアイデアはBrianによる発案なんだけど、Cliff Martinezが映画『Solaris』のために書いた曲を聞いていると、彼が「このスティールドラムやベースの音はすべてCODEで作られてるって知ってたか?」と言うので「いやあ、すごいサウンドですよね」なんて答えると「うちのスタジオにもあるよ」って言うんだ。 そんなわけで、あらゆる低域の音をこの6,000ドルのモノシンセに通そうってことになった。せっかくなんだし。
僕は少し劣化させたり加工されていたりする音に惹かれるんだけど、できるかぎり高品質な音源でいつも作業に取りかかろうと意識している。そうすれば劣化のさせがいがあるっていうか。とはいえ、僕はYouTubeからボーカルサンプルを引っぱってくるのも大好きだし、その好みがこの先揺らぐとも思えないけどね。
先ほど話題にのぼったBoards of Canadaのレコーディングテクニックの流れで考えると、これは非常に興味深いですね。 Boards of Canadaの音や制作は年月とともに変化してきましたが、とくにミックステープをはじめとした最初期の作品では劣化させたサンプルがふんだんに用いられていて、もはや元のサウンドが高品位なものだったのか判別するのが大変です。
意図したわけじゃないけど、今回のインタビューはBrianだけの話題になっちゃうね。Brianと一緒にいるあいだは、「このサウンドをKevinとどうやって作ったんですか?」って聞き続けていたんだ。僕がギターペダルなどのエフェクターをたくさん買い集めていることを伝えると、Brianは「実はな、『Loveless』ではギターペダルを1個も使っていないんだ」と言うんだ。「えー!?」って感じだよね。
Brianが言うとおり、Kevin Shieldsは『Loveless』でラックユニット型のエフェクターを使っていたそうです。
そう、とにかく高品位なエフェクターとマイクだけを使っていたのさ。 Kevinは異常なまでにオーディオマニアだから、仕上がった作品は豊かな倍音で濃密なんだ。その理由は、わざわざモノ信号にして痩せた音にしてしまう低質のファズペダルを通していないからさ。 どれもハイエンドなラックユニットばかりだ。Yamaha製のリバースリバーブは別だけど、それでも周波数帯域が広い。 そのリバースリバーブは僕のアルバムでも全編で使っているよ。
Kevinが『Loveless』をレコーディングしたプロセスには驚かされますね。 このアルバムで彼はギターのフィードバックや見つけてきた音など、とにかく大量にサンプリングしました。 しかし、ここではYahama製のリバースリバーブについてもう少し話を聞かせてください。 このラックユニットのどのような部分が気に入っているのでしょう?
僕の音楽の大部分は長尺のパッドや高密度の壮大なコードで占められているから、Yamahaのリバースリバーブを使うのはミックスの段階が多い。 長く引きのばしたパッドや、タイトなアルペジオみたいにひとつのハーモニー構造の中に収まるものとか、どんなものにも少しは必ずリバースリバーブをかけているから、曲の背後では常に雲のように立ち込める倍音がフィードバックを起こしている。
『Dawn Chorus』では別のミュージシャンともスタジオでコラボレーションを行いましたが、これは過去のアルバムと一線を画すプロセスですね。 このコラボレーションによって具体的に何がもたらされましたか? スタジオにひとりずつミュージシャンを呼んだのでしょうか?
冬のあいだ、僕はトロントとロサンゼルスを行き来していて、どちらかといえば「この人のこんなサウンドが欲しい」って感じだったね。結果的にアルバムで使われなかったセッションもたくさんあるよ。モントリオール出身で非常に才能ある友人で作曲家のKara-Lis Coverdaleとのセッションとかね。 彼女はトロントに1日滞在することになっていたので、スタジオに来て一緒にコードを書いて楽しもうよって声をかけたんだ。 Machinedrumは、親友でロサンゼルスに住んでいて、僕のスタジオに来てもらった。ラップトップを立ちあげてLiveを同期させたんだ。 僕がコード進行を作って、そこに彼がベースラインを重ねた結果生まれたのが『Let Go』という曲さ。まさに共作と言える曲だね。 そういう曲はアルバムに数曲あって、2曲目の『Drop Location』は僕とClams Casinoで一緒に制作したものだよ。
自分の範囲外の音にも常に挑むようにしている。 アルバムでおそらく一番シンプルなのは最後から2曲目の『Distance』で、この曲ではGodspeed You! Black Emperorっぽいポストパンクの音が欲しかったから、 ニューヨークにいるときに派手にかき鳴らしたリバーブたっぷりのポストロック・ギターの曲を友人のDan de Laraに録音してもらったんだ。 そのあと、とても才能のあるチェロ奏者Oliver Coatesに連絡して、この曲のためにパーツを送ってもらった。 だから、バンドを部屋に集めてレコーディングしたようなものではなくて、「僕はこういうことをやりたいんだけど、手を貸してくれない?」って声をかけた感じだよね。
MachinedrumやClams Casinoの音やテクスチャーをアルバムに持ち込みたいと考えていたのでしょうか?
そうだね。ふたりのドラムの打ち込みやリズムの感性は怖くなるくらいすごいよ。 Clamsと僕にはたくさんの類似点がある。音楽の感情面の感性、テクスチャー、メロディーとかね。 これまでに僕たちは4~5曲を一緒に制作しているよ。 Clamsは素晴らしいやつで、僕がニューヨークに滞在するときはほぼ毎回セッションを設けるようにしている。 彼はAcid Proユーザーだから、一緒に作業するときは僕がメロディーをたくさん作って、それをAcid Proに読み込んでもらう。それから音程を8セミトーン下げたクラップを使えば、あっというまにClams Casinoの素晴らしき世界になるよ。
Machinedrumとのコラボレーションも同じような感じだよ。 Machinedrumとのコラボレーションで素晴らしいのは、ある意味、ドラムやテクスチャーの中間点を探す以上のことをできることなんだ。 いつも僕の音は多幸感とメランコリーの間に落ちついて、すべてに対して緊張感が流れているんだけど、Machinedrumは軽やかで多幸感と高揚感のある場所へ連れていってくれる。持ち前の美しいハーモニーとかでね。 でも、今回はあらかじめプランを用意していない状態で彼をスタジオに招いたんだ。 「そういえば僕たちは一緒に曲を作ったことがないよね。じゃあやってみようか?」って感じで、1日で1曲を完成させた。 もし僕がMachinedrumと一緒に曲を作るとしたらこんな感じになってほしいなと思っていた曲がそのとおりにできたよ。互いのソロ作品にはない音になっている。
今回のアルバムでコラボレーションに参加してくれたアーティストたちは、僕の作風とそれほど離れているわけじゃないと思う。 互いに共通する部分がいくつかあって、それを融合させて単なる足し算以上のものにするという意味で、まるでバレエみたいだったと思う。
Juliana Barwickのボーカル参加についてはどのような流れで実現したのでしょう?
おもしろいことに、過去の僕の作品の多くではサンプリングした声を使っているんだ。 僕はよく声の音源を使ってチョップするんだ。人間の存在感のあるエレクトロニックミュージックが好きだから。現実世界との接点を感じられるようになる気がするんだよね。 実際にリリースされているわけじゃないけれど、僕はNosaj Thingと一緒にたくさんの曲を作っていて、その中の1曲にちょっとした短いデモがあるんだ。 Nosaj ThingはJulianaと友人なんだ。それでJulianaを連れてきて初期のデモ用にボーカルを録音してもらった。 彼女の声をチョップした断片で全体を作った曲があって、それでJulianaの名前がアルバムに載ることになったんだ。 すごくポストモダンなコラボレーションだったね (笑)。
ソロアーティストが多様な音源からサンプリングする行為と、ソロアーティストが友人やコラボレーション相手に楽器演奏や声を提供してもらう行為には、何らかの関連性や密接な結びつきが存在すると思いますか?
もちろん。 それって基本的には自分にとっての作業工程は同じだけど、音源となる素材とのつながりが少し強くなる方法だよね。 でも、個人的にはサンプリングの著作権使用許可というおそろしく面倒な作業の煩雑さを避けたいという気持ちがある。 うまく歌える人やうまくギターを弾ける人を実際に知っているのなら、その人たちに素材を提供してもらうに越したことはないよね。 音源に対する密接な絆やつながりなんかがあれば、結びつきはさらに強くなると思う。 今そうした曲を僕が聞くと、リアルな結びつきが感じられる。Oliver Coatesはメールでパーツを送ってくれただけで、一緒に録音したわけではないけど、それでも密接に感じられるんだ。 とはいえ、長時間電話で話したり、何度もメールをやりとりしながら一緒に共通のゴールに向けて取り組んでいったけどね。
そういう曲はどれも僕にとって有意義なんだ。人間のつながりが通底しているからね。 作品をリリースしやすくなるときもあれば、コラボレーション相手にマネージャーがいるせいで難しくなるときもある。パーツを探したり、少し違うものを使わないといけないときもあるよ。 とにかくいろいろと複雑な条件が絡んでくるので、たまに自分がプロジェクトマネージャーにでもなったような気分になるよ。 でも、こういったコラボレーションはすごくやりがいがあるし、これまで知らなかった世界を見せてくれる。 そして今になって作品のクレジットを眺めたり、作品を聞いたりすると、「すごいな、これだけの人たちが手助けしてくれたおかげでこれが完成したのか」って思う。言葉にできないほど感謝の気持ちでいっぱいになるし、個人的にすごく意義深くなる。
今後もこのようなコラボレーションを続けていけると考えていますか?
うん、そうだね。もう過去のやり方には戻れない気がしているよ。 自分だけでアルバムを作ると即決できることが増える。でも、冬のあいだにNosaj Thingと話していたことでもあるんだけど、僕たちは今でもベッドルームプロデューサーだし、僕たちがエレクトロニックミュージックに惹かれた理由の一部は、完全に自分だけで創造することの喜びなんだ。 その一方で、人間同士がつながって一緒に作品を作り、単なる足し算以上のものを生みだす方法にも魅力はある。
だから時間と予算さえ許すならば、いろんなことをやるのが一番だよね。
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