Rachel K. Collier: Novation Launchkey MK4とAbleton Live Liteでシンプルに創造する
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音楽制作を始めたばかりの頃は、数え切れないほどの機材の選択肢に圧倒されるもの。DAW、プラグイン、オーディオインターフェース、MIDIキーボードなど、何を揃えればいいのか迷ってしまいますよね。
インターネットには、レビューやチュートリアルが無数にありますが、情報が多すぎてかえって混乱することも。そんなとき、信頼できるガイドがいれば、選択の迷いが一気に減るはずです。
そこで登場するのが Rachel K. Collier。パフォーマー、教育者、そしてプロデューサーとして活躍する彼女は、音楽制作の世界で確固たる地位を築いてきました。初心者からスタートし、試行錯誤を重ねながら成長してきた彼女の経験は、これから音楽制作を始める人にとって非常に貴重なものです。
Rachelは、メジャーアーティストにメロディや歌詞を提供するトップライナーとしてキャリアをスタートさせました。しかし、やがて自分の音楽にもっとクリエイティブな自由がほしいと感じるようになります。
「当時の制作では、完全に自分のスタイルにフィットするものができていなかったんです。それで、『自分でやってみたい』と思ったんですよね。」 と彼女は振り返ります。
自身の学びのプロセスをオンラインで共有することは、Rachelの活動の大きな柱となっています。そのきっかけとなったのが、Andrew Huangの「4 Producers」シリーズ への参加でした。そこからさらに発展し、Patreon を立ち上げ、多くの音楽クリエイターとのつながりを築いていきます。
現在、彼女のPatreonコミュニティでは、毎月のチャレンジ、ワークショップ、リスニングセッションなどが開催されており、初心者から上級者まで、あらゆるレベルのメンバーが成長できる環境が整っています。
「ゼロからスタートした人が、2年後には驚くほど素晴らしい楽曲を作るようになるのを見てきました。」 とRachelは語ります。
豊富な経験を持つRachelに、これから音楽制作を始める人がどの機材を選ぶべきかアドバイスをもらいました。
「初心者なら、まずはシンプルなFocusriteのオーディオインターフェース、高音質のヘッドホン、そしてMIDIキーボード(例えばNovation Launchkey MK4)を揃えればOK。そしてDAWにはAbleton Live。これだけで本格的な音楽制作が始められます!」
Novation Launchkey MK4 には Ableton Live Lite がバンドルされています。作曲、録音、プロデュース、パフォーマンスに必要なツールが揃っているため、初心者に最適な選択肢となるでしょう。
さらに、Launchkey MK4には GForceシンセ、Orchestral Tools、Klevgrandプラグイン、Melodicsレッスン なども付属しており、すぐに音楽制作を始められるパッケージとなっています。
「このセット、めちゃくちゃコスパがいいんです!」 とRachelは評価します。
「このキーボードはかなり高機能で、曲作りだけでなくライブパフォーマンスにも適しています。サイズもいくつかあって、私はLaunchkey 37を使っています。エンコーダーが8つ、パッドが16個付いていて、すべてカスタマイズ可能なんです。」
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これまでにRachelは数多くの音楽制作機材を手にしてきました。しかし、もしそのすべてを取り払ったら?シンプルな環境での制作の利点を探り、特に初心者でも実践できるワークフローを示すために、私たちはRachelにあるチャレンジをお願いしました。
「Novation Launchkey MK4とAbleton Live Liteだけを使って1曲作る」 というものです。
その結果は? たった2つのツールだけで、どこまでクリエイティブになれるのかを証明する刺激的なプロジェクトになりました。今回、Rachelに制作プロセスについて詳しく話を聞き、トラックがどのように完成したのかをステップごとに解説してもらいました。さらに、彼女が作成したLive Setの無料ダウンロードも提供。 実際にどのように制作したのか、自分で確かめることができます。
※このLive Setを開くには、Ableton Live 12 Liteのライセンス、またはLive 12 Intro / Standard / Suiteのいずれかのライセンス、もしくは無料トライアルが必要です。
このLive Setおよび付属のサンプルは教育目的のみに使用可能で、商業利用はできません。
Novation Launchkey MK4でコードを解き放つ
コード進行を考えたり、それをうまく演奏したりするのは、特にキーボード演奏に慣れていないと難しいもの。Launchkey MK4の「Chord Map」機能は、そんなクリエイティブな課題をサポートしてくれます。スケールを設定し、エンコーダーやパフォーマンスコントロールを使って新しいコードを発見し、それをドラムパッドで演奏できるのです。
「今回のメインリフは、すべてChord Mapで作りました」 とRachelは語ります。
「キーボードの"Shift"と"Chord Map"を押すだけで、さまざまなコードにアクセスできるんです。Live内で好きなサウンドを見つけたら、パッドを使ってリズムを作りました。正直言って、普通に弾こうとしても、あんなコード進行は思いつかなかったと思います。まず、そんなに速く正確にコードを弾けませんし、自分で作曲しようとしてもあの形にはならなかったはずです。でも、こうして機材が新しい作曲方法を生み出してくれるのは、本当に刺激的ですね。Chord Mapでは、1つのパッドにコードが割り当てられるので、単純にリズムを刻むだけでOK。パッドを叩くと、今どのコードを弾いているのかも表示されるので、すごく便利です。」
さらに、同じ方法でBセクションも作成しました。
「"Adventure"や"Explore"の設定を調整して新しいコードを探してみたんです。そうしたら、異なるコード進行を持つ2つのセクションができました。もし普通に鍵盤を弾いていたら、絶対に思いつかなかったと思います。」
また、Rachelのコード進行にさらなる深みを加えたのが、Launchkey MK4の「Spread」コントロールです。
「これは、コード内の音の配置を変える機能で、音同士を密集させたり、大きく広げたりできます。本当にシンプルな操作で、サウンドに違いを生み出せるのが魅力ですね。」
「こうしてリフが完成すると、あとは一気にトラック全体を作り上げる準備が整いました。」
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RachelはNovation Launchkey MK4のChord Map機能を使い、楽曲のコード進行の新しいアイデアを見つける。
Ableton Live Liteでのビートメイキング
ビートを作る際、RachelはAbleton Liveのコアライブラリに含まれる「Beastly Kit」を使用しました。
「これはエレクトロニック・ドラムキットで、必要な基盤をしっかり作ってくれました」 と彼女は語ります。
「さらに、同じライブラリにある『Feat Pete Kit』も使いました。」
Liveでは、Drum Rack を使って、これらのキットのドラムサウンドを整理し、演奏できます。Drum Rackは、各パッドに特定のサンプルやサウンドが割り当てられたバーチャル・ドラムマシンのようなものです。
Ableton Live Liteは、シンプルな機能セットを備えたバージョンのため、一部の編集機能に制限があります。
「特定のDrum Rackでは、個々のヒットを細かく調整できないこともあります」 とRachelは説明します。
Ableton Live Intro、Standard、またはSuiteにアップグレードすると、Live Liteには含まれていないデバイスが入ったDrum Rackの編集機能が解放され、より自由度の高いサウンドメイキングが可能になります。
しかし、Rachelはそうした制限に縛られるのではなく、むしろクリエイティブな方法で工夫を凝らすことを選びました。
「バリエーションを加えるために、『Beat Repeat』を使いました」 と彼女は話します。
Beat Repeat は、Liveに搭載されているエフェクトの一つで、サウンドを細かく刻んでリズミカルに繰り返すことで、新たなグルーヴを生み出せます。
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RachelはBeat Repeatを使用して、ドラムにバリエーションを加える
Launchkey MK4でビートパターンをプログラムする
ビートパターンのプログラミングには、RachelはNovation Launchkey MK4のシーケンサー機能を活用しました。この機能を使うと、Ableton Liveのクリップシーケンサーを直感的に操作でき、Launchkeyのパッドから直接ドラムパターンを作成することができます。
この機能は、従来のドラムマシンやグルーヴボックスのステップシーケンサーと同様の仕組みで動作するため、初めてビートを作る人でも簡単に扱えます。ハードウェアの直感的な操作性をAbleton Liveの環境に取り入れることで、Launchkey MK4のステップシーケンサーは、楽しくクリエイティブにドラムパターンを組み立てる手助けをしてくれます。
また、指でビートを刻むプレイスタイルが好きな人は、Launchkey MK4のDrum Modeをアクティブにすることで、パッドを使ってリアルタイムでドラムを演奏することも可能です。
深みのあるベースラインを作る
Rachelが今回のトラックでベースラインを作る際に最初に目を引かれたのは、「Crunch Arcade」プリセットでした。
「これを聴いた瞬間、『うわ、これ最高!』ってなりました。」 とRachelは振り返ります。
このプリセットは、Live 12に新しく搭載されたシンセサイザーDrift に含まれており、素早く簡単にサウンドデザインができるよう設計されています。
「プリセット自体にすでにサチュレーションがかかっていたんですが、もっと強調したくて。」
と彼女は説明します。
「私はいつもサチュレーションを加えるのが好きなんです。」
そこで活躍したのが、Liveに搭載されているSaturatorエフェクトです。
「このエフェクトは本当に便利で、いろいろなオプションがあるんです。Analog、Soft Sine、Bass Shaperといったプリセットがあって、それぞれサチュレーションカーブの特性を変えられるので、見た目以上に柔軟なんですよ。」
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RachelはLiveのシンセサイザー「Drift」を使い、ベースラインの中音域を作り込む
ベースラインのレイヤリング:CrunchとSubの融合
しっかりとした低音を持つベースラインを作るために、Rachelは定番のテクニックを使いました。
それは、中域のベースにサブベースを重ねる という方法です。
「Crunch Arcadeのプリセットは素晴らしい音だったけど、低音の深みが足りなくて、単体ではベースラインとして成立しなかったんです。」
と彼女は説明します。
「よくあることなんですが、クールなシンセベースを見つけても、低域の厚みが足りないことがあります。そんなときは、MIDIトラックを複製して、サブベースを重ねるんです。」
この方法では、メインのベースラインのMIDIパターンをそのままコピーし、純粋なサブベースの音色に割り当てます。
「サブ単体だと正直、すごく退屈な音なんです。でも、これがないとトラック全体の低音の温かみが足りなくなってしまう。」
今回のプロジェクトでは、RachelはAbletonのInstrument Rack「Basic Sub Sine」 を使用しました。
「このプリセットは本当によく使います。派手さはないけど、まさに名前通りの働きをしてくれる。上に重ねる音とぴったりハマるんです。」
EQでバランス調整:それぞれのレイヤーを際立たせる
Crunch Arcadeのプリセットのキャラクターを損なわずに、サブベースのスペースを確保するため、RachelはChannel EQ を適用しました。
EQを使って特定の周波数を調整し、サウンドの輪郭を作る手法です。
「Crunch Arcadeの低域を少しカットしました。でも、完全に削るわけではなく、軽く調整する程度です。」
とRachelは語ります。
「このプリセットは個性的なサウンドなので、EQで削りすぎると全体の雰囲気が変わってしまうんです。」
チームとして機能するベースライン
Rachelは、中域ベースとサブベースを対立させるのではなく、お互いを補完するパートナーのように扱っています。
「サブベースは控えめなものを選ぶようにしています。ド派手な808のような存在感のある低音を狙っているわけではなく、むしろボーカルのハーモニーのように、楽曲を支える役割です。」
このアプローチにより、低域の周波数がぶつかるのを防ぎ、バランスの取れたミックス を実現しています。
「周波数的に見ると、Crunch Arcadeとサブベースは全然違う領域にあります。私は、2つが“チーム”として機能することを意識しています。もしサブベースが大きすぎたり、主張しすぎたりすると、Crunch Arcadeの音と衝突してしまいます。でも、控えめなサイン波なら、完璧にブレンドできるんです。」
Launchkey MK4でアルペジオを作る
Novation Launchkey MK4には、アルペジエーター(略して「arp」) が搭載されており、Rachelはこれを使ってトラックのリズミックなメロディを作成しました。
アルペジエーター は、キーボード上でコードや単音を押さえると、自動的に音を順番に鳴らしてくれる機能です。
上昇・下降パターンなどを設定でき、手動で一つずつ音を打ち込むことなく、素早くメロディを作ることができます。
「今回の『Afterglow』のトラックでは、アルペジエーターを活用しました。」
とRachelは語ります。
「これ、本当に面白い機能なんです。スウィングの調整ができたり、トリプレットや8分音符などのリズムパターンを選べたりします。さらに、ゲートの長さを変更して、各音の発音時間をコントロールすることもできるんです。」
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Novation Launchkey MK4にはアルペジエーターが搭載されており、Rachelはこれを活用してメロディを作成
アルペジオサウンドにオートメーションを適用する
Rachelは、Ableton Liveのオートメーション機能 を活用して、シンセやエフェクト、ミキサー設定の変化を時間経過とともにプログラムしています。
「アルペジオの音にアタックのオートメーションをかけるのが好きなんです。ノートの動き方が変わるんですよ。」 と彼女は語ります。
「最初は短い“チッ”というような音で始まるんですが、アタックを遅くすると、ノートが伸びて周波数スペクトル全体に広がっていくんです。」
このテクニックを使うことで、サウンドが単調にならず、常に変化し続けるようになります。
「単に『はい、これがアルペジオです!』みたいな感じじゃなく、音が自然に成長していくんです。ボリュームや周波数の変化だけじゃなく、アタックやリリースをオートメーションでコントロールすることで、音に独自の動きを持たせることができます。」
ヒューマンタッチを加える
Rachelは、エレクトロニックサウンドの精密さと、よりオーガニックな要素をバランスよく組み合わせることを大切にしています。
「人間らしい質感を取り入れたかったんです。」 と彼女は説明します。
特に印象的なのが、Track 7 に使用されたサンプルです。
「5歳の姪が伝統的なウェールズの歌を歌っている動画を、妹が送ってくれたんです。」
Rachelは、そのボーカルをAbleton Liveのサンプラー「Simpler」に取り込み、演奏可能なサンプルとして編集しました。
「いくつかエフェクトを加えたら、彼女の声が可愛らしいカットアップされたテクスチャになって、トラック全体を通して流れる要素になりました。」
「こういう作業が本当に好きなんです。オーガニックな人間の質感を楽曲に加えることで、電子音楽の冷たさを和らげ、より温かみやつながりを感じられるサウンドにできるんです。」
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ボーカルに温かみと個性を加えるプロセッシング
Rachelのトラックにおけるメインボーカルの処理は、クリエイティブなエフェクトの重要性を示しています。
彼女が大切にしているのは、ボーカルに命を吹き込む最適なエフェクトを見つけること です。
「Smokey Water Effects Rackは本当に重要でした。」 とRachelは語ります。
「これなしだと、ボーカルがかなりドライで普通に聞こえていたんです。でも、このエフェクトを適用した瞬間、ボーカルが温かみを帯びて、サチュレーションがかかったような質感になりました。」
Rachelにとって、この瞬間は制作のターニングポイントとなりました。
「このとき初めて、『OK、ボーカルがちゃんといい感じになった!』と思えたんです。」
Smokey Water Effects Rack は、Amp、Drum Buss、EQ Three、Limiter などのエフェクトを組み合わせ、ギターアンプ風の歪みを加えています。
こうしたプロセッシングは、ボーカルに独自の質感を与えるのに非常に有効です。
Auto Shiftでボーカルをチューニング
Rachelは、制作ワークフローの中でボーカルチューニングツールを活用していると話します。
そのひとつが、Live Liteにも搭載されているAuto Shift です。
「これは、初心者にとって本当に大切なツールです。」 と彼女は説明します。
Auto Shift を使うことで、リアルタイムでピッチ補正を加え、ボーカルの音程をトラックに正確に合わせることができます。
「これがあると全然違うんです。特に、歌に自信がないときや、まだ慣れていないときにはすごく助かりますね。」
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RachelはAuto Shiftを使い、ボーカルにさりげないピッチ補正を適用
フィルター、ループ、ディレイを駆使する
Rachelは、ボーカルにAuto Filter のオートメーションを適用し、動きを加えることで、より表情豊かに仕上げました。
「私はフィルタリングをよく使うんです。」 と彼女は説明します。
Auto Filter は、Liveに搭載されているエフェクトのひとつで、特定の周波数を強調したりカットしたりすることができます。
スイープするような変化や、リズミカルなエフェクトを加えたり、高音域や低音域だけを抜き出すといった使い方も可能です。
「それから、『Super Looper』というエフェクトをいくつか使いました。これはディレイリズムをかなり作り込めるエフェクトなんです。」
Super Looper は、Beat Repeat、Auto Filter、Delay を組み合わせたエフェクトラックで、リズミックなループディレイを生み出し、オーディオに動きや広がりを加えることができます。
「このエフェクトがあるのとないのとでは、ボーカルの雰囲気が全然違うんです。」 とRachelは語ります。
オートメーションで緊張感を作る
Rachelは、ボーカルのダイナミクスやテンションを高めるためにSaturation も使用しました。
「Saturatorのドライ/ウェットの値をかなりオートメーションで調整しました。」
「最初はソフトな音なんですが、Bセクションに入るとどんどん歪みが強くなって、ザラついた緊張感が生まれるんです。そして、ドロップが来ると一気に激しくなります。」
また、オートメーションを使ってマスターチャンネルの低音を一時的にカットし、ドロップ前の期待感を演出しました。
「そして、ドロップの瞬間に低音を戻すんです。」
この手法は、音楽のインパクトを最大限に引き出すためによく使われるテクニックで、ドロップの迫力を一層際立たせます。
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RachelはAbleton Live Liteのオートメーション機能を使い、ボーカルに動きを加える
Launchkey MK4で直感的なコントロールを実現
Rachelが今回のトラック制作で特に役立ったと感じた機能のひとつが、Novation Launchkey MK4のプラグインコントロール でした。
「これが本当に便利でした。Ableton Live Liteのすべてのプラグインを直接コントロールできるんです。」
「キーボードの‘Shift’と‘Plugin’を押すと、エンコーダーでプラグインの設定を調整できるんです。これがめちゃくちゃ楽しい!作業しながら直感的に音を変えられるんですよ。」
この機能は、初心者から上級者まで幅広く活用できるのがポイントです。
画面のメニューをクリックしながら調整するのではなく、ハードウェアを直接操作することで、音との一体感が生まれ、より感覚的な作業が可能になります。
例えば、フィルターのカットオフやレゾナンス などのパラメータを直接ツマミで調整することで、アイデアを即座に形にすることができるのです。
プラグインコントロールに加えて、Launchkey MK4のトランスポートコントロール は、Rachelのワークフローを大幅に効率化しました。
「トラック制作中は、トランスポートコントロールを全部使っていました。メトロノーム、キャプチャーボタン、クオンタイズ…すべてがすぐ手元にあるんです。」
「Capture MIDIボタン」 を使えば、録音をしていなくても、直前に演奏したフレーズを即座に記録して保存 できます。
「私にとって、メトロノームのオン/オフを素早く切り替えたり、クオンタイズをキーボードから直接使えたりするのは、本当に便利でした。」
「これがあると、制作の流れが途切れないんです。いちいちマウスで画面を操作しなくても、コントローラーだけで完結するのが最高ですね。」
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RachelはNovation Launchkey MK4の直感的なプラグインコントロールを特に便利だと感じる
初心者をインスパイアし、未来へ向けて
RachelがNovation Launchkey MK4とAbleton Live Liteだけを使って楽曲を制作したプロジェクトは、音楽制作に膨大な機材が必要なわけではないことを示しています。
姪が歌ったウェールズの伝統曲をリズミックなボーカルテクスチャに変え、ベースラインをレイヤーし、SaturatorやAuto Filterといったエフェクトを活用することで、シンプルなセットアップでもプロフェッショナルなサウンドを生み出せることを証明しました。
「このプロジェクトから初心者の方に伝えたいことは、まずはやってみること。」 とRachelは語ります。
「高価な機材がなくても、素晴らしい音楽は作れます。このプロジェクトが、どれだけ気軽に始められるかを示せていたら嬉しいですね。」
また、Ableton Live LiteやLaunchkey MK4のようなツールが進化し、音楽制作をより多くの人にとって手軽なものにしていく可能性についても考えています。
「Live自体が、もっとシンプルになればいいなと思うこともあります。特に、若い学生や完全な初心者向けに、もっと直感的に扱えるバージョンがあったら面白いですよね。Ableton Live Liteのような簡易版は、より多くの人が音楽制作に触れるきっかけになります。」
「今、3枚目のアルバムに取り組んでいます。」Rachelは、これからの音楽活動についてこう語る。「2024年は新しい挑戦の年でした。いろんな言語で曲を書いたり、日本でミュージックビデオを撮影したり、1対1のメンタリングを始めたり。でも、これからは、とにかく最高のアルバムを作ることに集中したいですね。私は、作ることが生きがいなんです。音楽を作るのが、私にとってのすべてです。」
Rachel K. Collierの最新情報は、Instagram、Youtube、Patreonでチェックできる。
この記事はFocusrite/Novationとのパートナーシップのもと制作され、Novation Launchkey MK4とAbleton Liveの公式連携について掘り下げている。
テキスト・インタビュー: Joseph Joyce
写真: Jamie Panton