つい忘れがち(あるいは故意に気付かないふりをしがち)なのは、音楽制作は必ずしも楽しいものではないという事実。常にインスピレーションやクリエイティビティに溢れているという訳ではありません。時には、アイデアに詰まったり、インスピレーションが衰えたり、単なる労働のように感じられたりすることも。残念ながらこの事実は、どれほど才能に溢れていても、経験があっても、成功を収めても変わりません。昨年のLoopサミットで行われたMatthew Herbert、Phoebe Kiddo、Young Guru、James Holdenによるパネル・ディスカッションでは、まさにこのスランプをテーマに議論されました。
誰もが認める才気溢れる経験豊かな有名ミュージック・メイカーであるこの面々も、ビデオを観れば分かるように、創作意欲、自制、集中力、大局観といった問題に悪戦苦闘していると話しています。ただし、スランプは普遍的な問題なので、克服するために誰かが見出したあらゆる策は、あらゆる人の参考にもなります(パネル・ディスカッションで司会を務めたAbletonのDennis DeSantisは、こういったさまざまな戦略を集めた本を書いています)。