クリエイティブなマルチチャンネルオーディオ:Max 8のMCとは?
Max for Liveに馴染みのある人は多いだろう。Max for Liveには、Liveの機能をカスタマイズして能力を拡張することを可能にするデバイスとインストゥルメントがセットになって収録されている。 Max for Liveの基盤となっているインタラクティブなプログラミング環境のMaxを知っている/使っているという人もいるだろう。 先日、Maxを開発している会社Cycling ´74が最新版となるMax 8を発売した。 この最新版の新機能のなかには、控えめに“MC”と名付けられたものがある。 2文字の名前を持つこの機能の正体は、マルチチャンネルオーディオを使って作業して、サウンドデザイン、エフェクト処理、ミキシングに対する考え方を変えてしまう、まったく新しい方法だ。 もしくは、Cycling ´74が言っているように、MCは「これまでのMaxの機能で、意識を拡張するドラッグにもっとも近いもの」なのかもしれない。
そう言われるだけでも、こちらのプレゼンテーションをチェックしたくなるのではないだろうか。 2018年のLoopで撮影されたこのプレゼンテーションでは、Cycling ’74’の設立者でありCEOを務めるDavid Zicarelliと、コンテンツ制作を専門とするTom Hallのふたりが、Max 8の新しいマルチチャンネルオーディオ用プログラミングシステムであるMCを紹介している。 ふたりは、MCの開発途中に発見した、深みのある興味深いサウンドスケープを生成するテクニックを実演している。 一連の音声の流れに含まれる複数の音源をわたしたちが認識するときの音響心理学上の仕組みについても触れているほか、そうした見識を音楽制作やサウンドデザインに活かす方法も披露している。 そのため、Maxを使っていない人でも、このプレゼンテーションは、マルチチャンネルオーディオというものについて、そして、クリエイティブな空間としてのマルチチャンネルオーディオの可能性について、自分の思考を広げるのに役立つだろう。