Push用Max for Liveデバイス: 無償デバイス総まとめ
ウェブにある主要なオンライン・レポジトリをざっと見ると分かるように、今では有償、無償とも非常に多くのMax for Liveデバイスがあり、どこから手を付けていいか戸惑う人も多いのでは?その数は約2,600に上り、インストゥルメントやエフェクト、ビデオ・プロセッサーやシーケンサーなどまで多岐にわたります。比較的古い一部のデバイスでは、LiveおよびMax for Liveとの互換性を確認する必要があります。
膨大な数のツール・コレクションには、PushおよびPush 2の機能拡張用に特別に製作されたMax for Liveデバイスの数々も点在。無償アイテムもありますよ。今回はこれらの無償デバイスから特におすすめの製品をピックアップ。どうぞご覧ください。
MIDI関連
PushでのMIDIメッセージの出力やマニピュレート向けのMax for Liveソリューションはたくさんありますが、特に便利なものに、 Patrick DSPの Keyboard Control、matthiasmatzerの Push Aftertouch Device、dedbirdの Putilityがあります。
Keyboard Controlは、Pushのロータリー・エンコーダーを用いた標準MIDIデータストリーム(モッドホイール、アフタータッチ、ピッチベンド、さらにはブレスまで)の送信、および、プログラムチェンジとバンクチェンジのトリガーを可能にします。Push Aftertouch DeviceとPutilityは比較的シンプルで、Push Aftertouch DeviceはPushのパッドが生成するアフタータッチを使用して選択されているLiveパラメーターをコントロールし、PutilityはモッドホイールとアフタータッチのスケーリングノブをPushの2つのロータリーノブを使用して操作できます。
Liveをライブにコントロール
Pushをステージで活用したいパフォーマーやDJ向けのMax For Liveはたくさんありますが、Abletonのお気に入りのひとつに、dataf1owのeb.Scrubberがあります。このデバイスは、Liveのスクラブ機能を活用し、パッドによりトリガーされた再生ヘッドのシャトル(最大4トラックにわたるクリップ内、個別またはグループ)を独自の配色で簡単に行えるようにします。実際の操作の様子はこちらからご覧いただけます。
dataf1owが手掛けた別のデバイス、eb.TouchStrip Crossfaderは、PushのタッチストリップをLiveのクロスフェーダーに割り当て、ノブだけではないよりフィジカルなトラック・メイキングが体験できます。
ハンズオンでもうひとつご紹介したいのが、happytoshのRandom Note Delayです。このデバイスは、最大32の入力ノートのタイミングを一度に、0~127ミリ秒の範囲でランダムにずらします。Pushのノートリピート機能にちょっとしたカオスと不完全さを加えることができます。
次に紹介するデバイスは、ステージでもスタジオでも活躍。789のParameter Masherは、Pushのパッドを押すだけでインストゥルメント、エフェクト、ミキサーの設定を変更でき、オンザフライで変化を付けたりエディットすることが可能です。64の固定値は最大8つのLiveパラメーターにアサインされており、それぞれの値はPushのロータリーを使用して調整でき、特定のMIDIノート(パッド)でトリガーできます。それだけではありません。3種類のノートオフ・モードを選択し、トリガーパッドをリリースする際の動作を設定できます。ノートオフ・メッセージが受信されると、値はそのまま留まるか、前の値に戻るか、ユーザー定義の「Mo2」値に切り替わります。
次に進みましょう。巨大な単体セッション内に複数のセットを実行させるのが好きなDJ向けのデバイス、sharpの Move Clip Grid は操作性に優れています。最大8つのセッションビューPush境界ボックスを設定すれば、ロータリーノブだけでナビゲートできます。セッション・オーバービューをズームアウトしてお目当てのサウンドを探し回る必要はありません。
Modul8torのPush Parameter Sliderも無償のアサイナブル・コントロール・システムで、Liveのノブ、フェーダー、フィールドを8つまでコントロールできます。このデバイスが独特なのは、アサインによってパラメーターがPushnoロータリー・エンコーダーに割り当てられるというよりも、8つのパッドの列を「スライダー」として使用できる点です。列に沿って指を上下に滑らせることで、対象のパラメーターを上げ下げでき、LEDバックライトがそれに従います。また、パッドを押して、[Smooth]ダイヤルで指定したスピード(0~4000ms)でその値に直接変更することも可能です。
スクリーンだって活用
Push 2の高解像度フルカラー・スクリーンをさまざまな用途に活用するデバイスも登場しています。すでにご覧になった方もいるかもしれませんが、MaxのJitterオブジェクトを使用して60fpsのビデオをUSB経由でPush 2のディスプレイに出力するハックを紹介したCycling '74のビデオが公開されています。
この分野が今後どのように展開していくか楽しみですが、Pushのバックライト付きパッドを活用した同じようなハックもご紹介。PushIllumination では、ウェブベースのPush Illumination Editorを使用して、8x8のバンク上にマルチカラー・アニメーションとテキストを作成できます。デベロッパーSS4Vによるちょっと変わったチュートリアル・ビデオをご覧ください。
有償デバイスも豊富
ここで紹介した無償Max for Liveデバイスの他にも、Sigabort、 pp-labs、 Isotonik Studiosなど、Push機能を強化する有償デバイスを提供するデベロッパーも数多く存在しています。ぜひご覧ください。
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