ミュージシャン、プロデューサー、ライブショーのプログラマー、起業家、企業の最高経営責任者、教育者 — これらは、ロザンゼルスを拠点にするアーティストLaura Escudéが持つ多彩な肩書の一部にすぎない。 これほど幅広い仕事を抱えるとなれば、本当にこれらの仕事を同時にこなせるのだろうかと疑問に思うかもしれない。 Escudéは、それは可能だと証明してみせている。
Escudéと音楽の出会いは、彼女が6歳の時に始めたクラシックバイオリンのレッスンまでさかのぼる。 高校のコンサートマスターになるころには、成績優秀者としての評判がすでに定着していた。 その後、Escudéは1997年に州知事奨学金の受賞者となり、高名なインターロッケン芸術センター主催のサマーミュージックプログラムに参加した。 やがて、彼女はRhode Island Youth Philharmonicのコンサートマスターに就任する。
この時点までは、Escudéのキャリアはクラシック界の王道を歩んでいるかのように見えた。 しかし、レイヴを初めて体験したことで、彼女の中にまったく新しい視点が開けた。彼女は、エレクトロニックミュージックとそのテクノロジーによる底なしの世界へ瞬く間に引きずりこまれてしまったのだ。 彼女はプロダクションとエンジニアリングを独学で学びはじめ、大学時代をつうじてさまざまなクラブやフェスでDJたちと一緒にパフォーマンスを重ねていった。 また、Escudéはキャンパス内の会場でおこなわれるショーにも学生として携わった。 これがきっかけで、彼女はライブショーのデザインという広範な世界でアーティストやプロフェッショナルな人々とのつながりを形成していくことになる。
Escudéの初期キャリアが形成されていくにつれ、彼女は音楽にまつわるテクノロジーや楽器の分野で多くの職を兼務した。 2007年にはAbletonに勤務し、同社初の認定トレーナーとなった。 のちに、彼女はElectronic Creativesと呼ばれるAbleton認定トレーニング機関を設立する。 ここで、彼女はKanye Westのエンジニアを務めるAnthony Kilhoffeと運命的な邂逅を果たすことになる。 Kilhoffeのツアーサポートを経て、彼女はKanye West専属の公式音楽プログラマー、ライブボーカルエフェクトデザイナー、プレイバックエンジニアを任命された。 このようなつながりによって、Escudéの専門知識を求める需要は高まりを見せた。 新世代のプログラマーやプレイバックエンジニアたちを迎え入れながら、彼女はElectronic Creativesをますます拡大するプロフェッショナルなアーティストやクライアントのネットワークに向けてライブショーのデザインサービスを提供する場へと発展させた。
EscudéがElectronic Creativesをつうじて磨いてきた指導/教育のスキルは以下のビデオからもあきらかだ。 ロサンゼルスのLoop 2018で収録された以下のビデオでは、Escudéが自身の努力によって得てきた考察を打ち明けるとともに、長年ライブショーのデザインに携わってきた経験から彼女が技術的/個人的に学んだかけがえのない教訓についてAbletonのDennis DeSantisとの会話の中で明かしている。 ビデオをつうじてEscudéの話に耳を傾けると、ライブセットアップのチュートリアルで彼女が紹介してくれた音楽用機材や周辺機器と同じくらいに、自己管理を心がけて自信を制限するものを克服することが重要であることがはっきりとわかってくる。