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Polygoniaの新曲「Neon Oracle」のLiveセットをダウンロード
Lindsey Wangによる音楽プロジェクトPolygoniaほど、多才さとその調和のとれたバランスを見事に体現しているアーティストはそう多くありません。卓越した技術力と洗練された芸術性を兼ね備え、注目を集めるようになった彼女の作品は、視覚芸術、音楽制作、サウンドデザインへの深い敬意を反映した、学際的なアプローチが特徴です。
Polygoniaのトラックは、オーガニックな質感と精巧なリズムを巧みに融合させ、深く暗い雰囲気から遊び心のあるもの、感情豊かで繊細なものまで、多様なムードを表現しています。その作風は、テクノ、ブレイクビート、ダブステップ、アンビエント、ポップといったジャンルを横断しています。
ソロプロジェクトにとどまらず、PolygoniaはIOコレクティブの中心メンバーであり、新しい才能を支援するために設立された自身のレーベル「QEONE」の創設者でもあります。さらに、彼女の創造的なビジョンは、Niklas BühlerやMoritz Stahlと共に活動するトリオ「Lyder」にも反映されています。即興演奏やライブループ、エフェクトペダルを駆使してジャズとテクノを融合し、リスナーが没入できるエレクトロアコースティックな音の世界を創り出しています。
XLR8Rとのコラボレーションで、私たちは最近Polygoniaと対談し、クラシック音楽の訓練に浸った子供時代から、電子音楽へと進化を遂げるきっかけとなった瞬間まで、その魅力的な歩みをたどりました。その過程で、彼女の創作哲学、技術的な手法、そしてミュンヘンの音楽シーンに関する洞察を深く掘り下げました。彼女の制作プロセスを直接体験できるよう、新曲「Neon Oracle」のLiveセットも提供されています。
*Live 12.1 Suiteライセンスまたは無料体験版が必要です。
ご注意:このLiveセットおよび付属するサンプルは教育目的の使用に限定されており、商業目的での利用はできません。
Lindseyさん、本日はお話しいただきありがとうございます。まずは原点からお伺いしますが、音楽的なバックグラウンドについて教えていただけますか?
私はクラシック音楽からスタートしました。幼い頃からクラシックに囲まれて育ったんです。父は上海カルテットやドイツのいくつかのオーケストラで演奏していました。母はドイツ最大規模の楽譜会社で働いており、祖父はクラリネットの教授でした。音楽に特化した高校を卒業し、専攻はバイオリンでしたが、ピアノも演奏していました。
年齢を重ねるにつれて、ラジオやMTVでポップミュージックに触れるようになりました。それが電子音楽との最初の接点でした。ポップミュージックは電子的な要素で制作されることが多いですよね。歌詞を聴くというよりも、どのようにトラックが作られているかに興味を持ちました。その後、友人からUKダブステップを教えてもらいました。当時の私にはそれが非常に新鮮で、この世のものとは思えないようなサウンドに感じられました。それがきっかけで電子音楽に本格的に興味を持つようになったんです。
現在のテクノスタイルに移行する際に、特に影響を受けた瞬間やアーティストはありましたか?
最初の頃は、テクノには全く興味がありませんでした。当時ミュンヘンで流れていたテクノは、自分の好みではなかったんです。その代わりに、Left-fieldヒップホップに夢中になり、SoundCloudで見つけたクレイジーなビートプロデューサーたちを追いかけていました。「Prrrrrrr Records」というレーベルがあって、そこが特に印象的でした。そのレーベルのボスであるPersian Empireは、インストゥルメンタリストであり作曲家でもあり、非常に独創的な方法で制作・演奏をしていました。彼は私がテクノに移行する以前の大きなインスピレーションの一人でした。
Freqs of Nature FestivalでCio D'orやRroseの演奏を聴いたときのことを今でも覚えています。それは、それまでに聴いたことのない音の美学でした。それ以前はサイケデリックトランスのシーンにかなり惹かれていたのですが、彼らの音には何か共通点を感じました。それはどこかトリッピーでサイケデリックなのですが、もっと洗練されていて、引き算が効いたミニマリスティックなスタイルだったんです。Cio D'orは女性であることも私にとって刺激的でした。「彼女は私より何世代も上なのに、ステージでの存在感が本当に素晴らしい」と思って感銘を受けました。彼女のパフォーマンスはとても魅力的でした。そしてRroseも。彼らはCio D'orのすぐ後に演奏し、完璧な組み合わせでした。
ドイツではベルリンがよく注目されますが、ミュンヘンの音楽シーンはどのように比較されますか?
ミュンヘンにも素晴らしいアーティストがたくさんいます。確かに注目はいつもベルリンに集中しがちですが、私たちにとっては少し不公平に感じることもあります。つい最近、街にあるレコードショップの友人と話していたのですが、「Resident Advisorがミュンヘンのイベントをあまり取り上げないのはちょっと残念だよね」なんて話をしていました。例えば、Blitz Clubのような素晴らしいクラブがあります。そこでは時々、とてもエクレクティックなアーティストをブッキングしていますし、私のレーベルナイトもそこで開催しています。それに加えて、Radio 80000が拠点を置いているZirka Spaceもあります。そこではたくさんのパーティーやコンサートが行われています。
ミュンヘンには素晴らしい人たちがたくさんいて、お互いをとても支え合っています。ここは小さい街なので、コミュニティの一体感が強いと感じます。そのおかげで、競争がそれほど激しくないように思えるんです。みんなDJになるためにベルリンに移住しますが、ベルリンで誰かと話せば、大抵「私はDJです」って言われます(笑)。でもミュンヘンではそのプレッシャーがそれほど大きくありません。そういう意味で、ミュンヘンのシーンはとても活気に満ちていると思いますし、私もここでの生活にとても満足しています。引っ越しを考えたことはありませんね。
最近制作している音楽をどのように表現しますか?
私の音楽はとても遊び心があります。決して単なるテクノだけではありません。ベースミュージックやアンビエント、ドラムンベースなど、いろいろなものを作っています。時にはちょっと変わったポップミュージックを制作することもあります。一つのジャンルに自分を固定しないように心がけています。ただし、私のトラックにはいつも共通する特徴があります。例えば、オーガニックな質感、少しおちゃめだったり感傷的なハーモニー、そしてあまり予測できないけれどもグルーヴィーなリズムなどです。また、ジャンルによって変わりますが、よく軽やかなベースラインを入れることもあります。
あなたのレーベルでは他のアーティストの作品をリリースすることに重点を置いていますか?それとも、自身の作品の拠点として運営していますか?
IOはどちらかというとコレクティブです。私たち友人同士が自己表現をするためのプラットフォームとして機能しています。ほとんどのメンバーは高校時代からの仲間で、とても深い個人的なつながりが基盤となっています。また、私たちはチーム内に多くの専門知識があるので、オーディオソフトウェアの開発にも取り組んでいます。異なる分野での実験をお互いに刺激し合うことが、IOの中心的なテーマです。
一方で、もう一つのレーベルであるQEONEは、私のソロプロジェクトです。QEONEでは外部のアーティストの作品をリリースしています。有名な名前にこだわるのではなく、デジタルリリースの利点を活かすようにしています。デジタルリリースは投資が少なくて済むので、注目されにくい新人アーティストを支援することができます。新しい才能を発掘し、台頭しているアーティストにプラットフォームを提供することはとても楽しいですね。同じ名前ばかりを循環させるのではなく、新たな発見を提供することを大切にしています。
今回提供いただいた新曲「Neon Oracle」はどのように誕生したのでしょうか?
BrightonでDNO Records主催の「Mine」というイベントシリーズに出演したときのことです。このイベントはダブステップに焦点を当てたものでした。私にとってとても意義深いイベントで、というのも、先ほどお話ししたように、私が電子音楽に初めて本格的に触れたのはUKダブステップだったからです。自分が愛するダブステップを、自分ならではのアレンジを加えた形でプレイすることは、ずっと夢だったんです。
通常、ダブステップのDJセットでは、1デッキにつき1曲をかける伝統的なスタイルが一般的で、むしろレコードでのプレイがしっくりくることが多いですよね。でも私は非常にデジタル志向のDJなので、テクノをプレイするような感覚で、ダブステップをレイヤーしていくのが好きなんです。このギグは私にとって初めてのダブステップのパフォーマンスで、しかも素晴らしいサウンドシステムのおかげで本当に感動的な体験でした。その後すぐに、このエネルギーを楽曲に込めたいという衝動に駆られました。
ダブステップにはずっと触れていませんでしたが、「もう一度挑戦してみてもいいんじゃないか?」と思ったんです。また、Ableton Live 12.1の新機能を試してみたかったというのもありました。だからこの曲はテクノのような音にはならなかったんです。この曲は、その感動的な体験と、新しい音に挑戦したいという思いから生まれました。
この曲はとても詳細なサウンドデザインが際立っていますが、それは常にあなたの作品の重点にしていることですか?
以前、私はサウンドデザイナーとして働いていました。かつては電気自動車のサウンドデザインを専門とする会社に勤めていたこともあります。そこでインフォテインメント用のサウンド(よりシンプルなもの)が多かったのですが、Max MSPを使ってインタラクティブなシンセサイザーを開発する作業もしていました。これが本当に面白いプロジェクトで、同僚の一人が車の加速に応じてハーモニーが変化するインタラクティブなアンビエントシンセをデザインしていて、それがとてもクールだったんです!
「エフェクトチェーンはシンプルにするのが好きです。長くなりすぎると、集中力が失われる気がして。」
そして、サウンドデザインに焦点を当てた音楽プロジェクト「Lyder」のメンバーでもあるんですよね?
はい、Lyderはトリオで活動しています。私たちにはサクソフォニストのMoritz Stahlがいるので、楽器を中心としたアプローチが特徴です。また、パートナーでありソロではFTP Doctorとして活動しているメンバーもいます。二人ともサウンドデザインに非常に力を入れていて、私自身もFTP Doctorから多くのことを学びました。彼から学んだ「何とかなるさ(fuck it)」という音楽制作における姿勢は、私にとって本当に大切な教訓となっています。
最近では、「Weird Beats」と呼ばれるいくつかのプロダクションを聴き直しました。その中で、私はサックスと中国の笛を、通常とは異なる演奏法で使いました。一方、Moritzは巨大なエフェクトペダルボードを使ってサックスを加工し、壮大なサウンドスケープを作り出しています。彼がその楽器を、エフェクトだけでこんなにも雰囲気のあるものに変えるのを見るのは、本当に驚きです。
「Neon Oracle」は、美しいベルのようなメロディで始まりますね。このサウンドはLive 12.1のCollisionとPitchloop89デバイスを使用していますが、そのデバイスチェーンとサウンドの作り方を教えていただけますか?
もちろんです。Collisionは、自然な響きを素早く作り出すのにとても便利です。普段はOperatorをよく使うのですが、このプロジェクトでは新しいアプローチに挑戦し、慣れた手法から脱却したいと思いました。そこでCollisionを使用し、その後にPitchloop89を加えました。このデバイスは一般的なディレイとは異なり、ピッチを調整できるため、新しいテクスチャを作り出し、雰囲気を加えながらもオリジナルの音をしっかりと保つことができます。
このトラックでは、ウェット/ドライのバランスを57%に設定し、ピッチを1オクターブ下げて深みを加えています。私はエフェクトチェーンをシンプルに保つのが好きです。チェーンが長くなりすぎると、集中力を失ってしまうと感じるので。
Roarデバイスを使ったキックサウンドが適度に歪んでいて、フィードバックのオートメーションがとても創造的ですね。どのようにそのサウンドを作り上げたのですか?
このプロジェクトでは初めてRoarを使用しました。それまではAbletonのAmpデバイスを使っていたのですが、Roarは歪みの設定をより細かくコントロールできる点で次元が違います。特にフィードバック機能は歪みエフェクトとしてはユニークで、音に驚くほどの緊張感を加えてくれます。
このフィードバック機能を試してみたところ、オートメーションを使って波のような動きを作ることに決めました。遊び心を持って取り組んだプロセスだったのですが、最終的な仕上がりがとても気に入りました。
プロジェクト全体のオートメーションがとても印象的ですね。どのパラメータをオートメーションするかはどのように決めていますか?
音楽制作を始めた頃から、オートメーションには多くの時間を費やしてきました。ライブセットではAbletonのセッションモードしか使わないため、オートメーションは特に重要な要素です。最初は手動でオートメーションを描くことを学ぶのに多くの時間を費やしましたが、マウスを使ってオートメーションを録音することで、ライブ感を再現できると気づきました。この方法だと、より人間的で機械的ではない質感を得られます。
オートメーションするパラメータは、エンベロープのように影響が大きいものを選びます。特にOperatorではエンベロープを重点的に操作します。ライブセットでは、マクロを多くエンベロープにマッピングし、音をダイナミックに保つようにしています。
Operatorをよく使うとおっしゃっていましたね。このシンセのどんなところに惹かれるのでしょうか?
Operatorはとてもシンプルでありながら、驚くほど多用途なシンセです。シンプルなテクニックを使って複雑なサウンドを作り出す、という私の制作哲学にぴったりです。Operatorは私が最初に習得したシンセでもあります。友人のDysideとコラボしていたとき、彼がOperatorを教えてくれました。彼がわずか1分で20種類ものシンセプリセットを作り出したのを見て驚きました。そして、「こんなにシンプルなのにこんな幅広い音が作れるなんて」と感銘を受け、ぜひマスターしたいと思いました。Operatorはその特徴的な「Operatorらしさ」があまりなく、どんなサウンドも作り出せるのが魅力です。
だから私はあまりハードウェアシンセには興味がないんです。一部のハードウェアシンセは非常に特徴的な音色があって、それから抜け出すのが難しいことがあります。でもOperatorでは基本的な波形からスタートし、エンベロープを操作したり、オシレーターを調整したり、LFOやピッチエンベロープ、タイミングをいじることで、全く異なるサウンドに変化させることができます。典型的な「Operatorの音」というものがないので、キックドラムやハイハット、美しいシンセテクスチャや奇妙なサウンドまで、何にでも使っています。本当に万能なシンセです。
シンプルな技術で複雑なものを作る」という哲学は興味深いですね。その考え方を実践したい人のために、具体的に説明していただけますか?
もちろんです!私がそれを言うときは、デバイスチェーンを短く保ち、それぞれのユニットの可能性を最大限に引き出すという意味です。複数のエフェクトを重ね、それぞれのノブを少ししか使わないのではなく、1つのエフェクトの中にあるパラメータを完全に活用します。
例えば、シンプルな要素であるサイン波でも、巧みにモジュレーションを加えれば複雑なテクスチャを作り出すことができます。複数のオシレーターを重ねる必要はありません。1つのオシレーターとしっかり設計されたエンベロープ、そして例えばディレイエフェクトだけでも、豊かでオーガニックなサウンドが生まれます。それぞれのパラメータが何をするのかを理解していれば、シンプルな方法で驚くほど複雑なサウンドを作り出せるのです。重要なのは、追加する前にしっかりとした基盤を構築し、手元にあるものを理解することです。
プロジェクト内のトラック27『Arp』は緊張感を生み出していますね。このMIDIパターンをどのように作成したのか教えていただけますか?
このアルペジエーターでは、普段時々使うMIDIエフェクトは使用しませんでした。アルペジオのサウンドに関しては具体的なアイデアがあることが多いので、手動でプログラムすることが多いです。今回は基本的なパターンを作り、スケール内で3つの音のうち2つを近接させることで、調和的な緊張感を加えました。その間隔は長2度で、微妙な不協和音を生み出します。
シンセサウンドにはMeldを使用しました。いくつかの波形を試し、ノイズっぽい波形を選びました。また、エンベロープをオートメーションで制御し、特に後半で音が1オクターブ下がり、Bオシレーターがより顕著に加わる部分で変化を持たせました。サウンドは最初は純粋で、次第に2つ目のオシレーターがオートメーションでブレンドされることで強さが増していきます。シンプルなトリックですが、曲の物語を変える力があります。それに、Meldはライブセットにも最適です。非常に低レイテンシーなので、パフォーマンスにぴったりなんです。
アルペジオの秘密の要素は、あなたが言及したその音程にあるようですね。この種の音楽でよく使われる一般的なマイナースケールに比べて、より高度なスケールを選択したのも特徴的です。
そうですね、選んだのはフリジアンドミナントです。Ableton Live 12では、より高度なスケールを選択できる点が素晴らしいです。これがあると非常に楽になります。複雑なスケールは耳で覚えることが多いのですが、この機能のおかげで、自分が求めるキャラクターを正確に選び取ることができます。チャーチスケールはそれぞれ独自の魅力を持っています。たとえば、フリジアンは直感的ですが、フリジアンドミナントは複雑さが一段上なんです。それが面白いと思ったので選びました。
フリジアンドミナントスケールを知らない人に説明するとしたら、どのように伝えますか?
チャーチスケールの中でも特に異質に感じられるのが、ロクリアンとフリジアンです。ロクリアンは不安定で、ほとんど不協和音に近い響きがあります。この曲では、ロクリアンとフリジアンのどちらを使うか迷いました。フリジアンには神秘的な雰囲気があり、それが自分の音楽に引きつけられる理由の一つです。音楽に独特な空気感を加えてくれるので気に入っています。これらのスケールはそれぞれ特有の「色」を持っており、音楽に多様性をもたらしてくれます。
あなたは「Vocal Chops」というトラックでLive 12.1のAuto Shiftデバイスを使用しましたね。この際、プロジェクト全体のスケールにデバイスを固定する Scale Awareness 機能を使いましたか?それとも耳で調整しましたか?
耳で全て調整しました。ただ、Auto Shiftにはプロジェクトのスケールに同期させるボタンがあることを最近知りました。私が普段やっているのは、使いたいスケールをグランドピアノの音でMIDIパターンとして描き、それをループ再生します。その音を基準にして、ボーカル録音をAuto Shiftで微調整し、スケールに合うようにしています。この機能がLiveに追加されたのは本当に嬉しいですね。
スネアトラックでのShifterデバイスに面白い動きがありますね。具体的に何をしているのですか?
ドラムをレイヤーする際、全体のサウンドに合うようにピッチを調整することがあります。このケースでは、Shifterをオートメーションで操作しました。オートメーションはコーラス部分の最後で変化し、スネアをフェードアウトさせます。また、最初のブレイクではピッチを微調整しています。これは、スネアの音がブレイク全体で同じに聞こえないようにするための工夫で、セクション全体をより引き立てる役割を果たしています。
WavetableでのグロウリングベースとRoarの使用についても注目されていましたね。
ありがとうございます!Wavetableはシンプルでありながら強力で、素晴らしい波形がいくつも用意されています。Wavetableのポイントは、ウェーブポジションをオートメーションで操作することです。今回は2つのオシレーターの両方をオートメーションで動かし、高いレゾナンスを持つフィルターで特定の周波数を強調しました。合成自体はシンプルですが、WarpやFoldのようなパラメーターもオートメーションで調整しました。第2オシレーターではPulse WidthとSyncを操作しました。
AbletonのOperatorを使うときも、できるだけ多くのパラメーターをオートメーションするのが好きです。それぞれのオシレーターが独自のモジュレーションの可能性を持っているので、とても面白いです。Wavetableでは波形カテゴリーによってパラメーターが異なりますが、それらを組み合わせることでリッチなサウンドが作れます。
歪みにはRoarを2つ使用しました。多くのプロデューサーは周波数を分割して個別に処理しますが、今回のRoarはどちらもMultiband設定にしているので、低音域、中音域、高音域がそれぞれ異なる方法で処理されます。この設定により、サウンドの複雑さが増し、全体的なインパクトが強調されます。
Granulator IIIで作ったベルのテクスチャについても話してください。
ああ、トラック24ですね。これは別のリサンプリングの実験でした。以前話していたベルのテクスチャを取り出して、Granulator IIIに通しました。このプロセスが大好きで、さらに音をいじることでユニークなテクスチャが生まれます。Granulator IIIでは、Grain Size、位置、エンベロープを調整して特別な質感を作り出しました。シンプルですが非常に効果的です。
そして、タムを使ったフィルのメロディについてですが、あのクールなパターンはどうやって作っているのですか?
ほとんどのパターンはマウスでプログラムしています。自分が欲しいサウンドのイメージがはっきりしていることが多いので、ランダムジェネレーターは私のワークフローにはあまり合いません。このプロジェクトではTrapドラムを使いました。Trap音楽のビートプログラミングスタイルが好きだからです。808タムは、大音量のPAでパンチがあり、胸に響くような感覚を与えてくれます。キックの隣に注意深く配置しつつ、重ならないようにすることで、トラックにさらなるグルーヴを加えることができます。
フルートについてもお聞きしたいです。このトラックに素晴らしいアクセントを加えていますが、その背景やインスピレーションを教えていただけますか?
もちろんです。最初はフルートなしでトラックを作っていたのですが、どこか人間味が足りないと感じました。楽器の録音はただの趣味としてよくやるのですが、後で削除することも多いです。ただ、今回はフルートが完璧にハマりました。このフルートは、小さい中国の伝統的な笛で、子供の頃から持っているものです。家族から受け継いだもので、素晴らしい音色を持っていて、魅力的な倍音を生み出します。このトラックに、人間味を加える「最後の仕上げ」のような役割を果たしてくれたと思います。
とても刺激的な会話でした、Lindseyさん。ありがとうございます。最後に、2025年はどのような一年になりそうですか?
2025年はとてもワクワクする年になりそうです。セカンドアルバムをリリースする予定で、とてもエクレクティックな内容になっています。自分の声やアコースティック、エレクトロニック楽器を融合させた領域に踏み込んでいます。それに加えて、Outlook Festivalでライブセットを披露しますが、今回はテクノセットではないので、それも楽しみですね!
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文・インタビュー : Joseph Joyce
写真: Polygonia
同記事はXLR8Rにも掲載されています。