Laurent Clerc aka Little Peopleが私的なヒップトロニック・オデッセイ『We Are But Hunks Of Wood』をリリースしてから2年が経ちました。アコースティック弦楽器、ベル、タイトなビートをステレオ・フィールドにまるでオーナメントのように精緻に配置した作品です。このプロセッシングの多くは、Clercがこのアルバムのために構築したLiveインストゥルメントとエフェクトによりもたらされたもの。今回、このパックをダウンロードして独自の制作に使用できるようになりました。Abletonは、Clercにアメリカ合衆国での生活や『…Hunks Of Wood』以降の変化について話を聞きました。
アメリカ合衆国への移住はどのような影響を与えていますか?個人的な生活とミュージシャンとしてのキャリアのバランスを取るのは難しいと思いますが。
アメリカへの移住は、かなり大きな出来事でした。妻と3歳の双子を連れての引っ越しでしたので。アメリカへの移住を決めた大きな理由のひとつは、自分のミュージシャンとしてのキャリアでしたが、同時に、妻や子供たちとより長い時間を過ごすためでもありました。かつては、いったんツアーに出るとアメリカに6週間滞在し、そのあいだ、妻は一人で小さな双子の世話をしなければなりませんでした。誰にとっても良い状況とは言えませんでした。今のところ、移住の結果に非常に満足しています。アメリカにいるということは、いつでも音楽制作に没頭できるということです。
ご自身の音楽がアメリカで好まれていることについてはいかがですか?ツアーについてもお聞かせください。
私の音楽がアメリカ文化から生まれたヒップホップの影響を受けているということが、アメリカでの人気に関係しているかもしれません。よくは分かりませんが。アメリカでの成功は、ユーザーの嗜好に合わせて音楽を選択してくれるアルゴリズムを使用しているPandoraと呼ばれるオンライン・ラジオ・サービスのおかげだと思います。Pandoraはローンチ当時は世界中で使用可能でしたが、アメリカ以外の国ではストリーム単位のロイヤリティが高額であるため、ビジネス・モデルとして機能しないことが判明しました。そのため、アメリカ国内限定のサービスとなったのですが、どういうわけか私の音楽が好評を得ています。
ツアーも成功を収め、今週2014年最後のライブを行う予定です。たくさんの人々、特に小さな街に住む人々が自分の音楽を知ってくれていて、好んで聴いてくれているということに今でもとても驚いています。来年からはライブの内容を変えていこうと思っています。
『We Are But Hunks Of Wood』から2年が経ちました。この間に制作方法に変化はありましたか?
制作方法はひっきりなしに変わっています。新しいプロセスと制作手法を探すことは、クリエイティブなプロセスへの意欲になっています。シンセシスの知識は間違いなく向上しましたね。モジュラー・シンセを使用し始めたので。それに、サウンド生成とシーケンシングにかなりのiOSアプリを使用しています。タブレットは触知性に優れているので、シンセの操作性がずっと向上します。
古いパッチを見直してみたのも面白かったですね。モジュレーション・オプションを追加することで、サウンドをさらに強化することができました。SamplerインストゥルメントにFMを追加するのは、私にとって気付きでした。サウンド・デザインの側面に取り組むことは楽しくて、今後のプロジェクト用の新しいサウンド・パレット作成へのアプローチの方法に間違いなく影響を与えているはずです。
Laurentによるインストゥルメントとエフェクトの実演の様子を聴き、パックをダウンロードしてお試しください。
Little Peopleは2~3月にかけて北米ツアーを行います。詳しくは、FacebookおよびSoundcloudをご参照ください。