Deconstructed:Liveを使用して生まれた5つのヒット曲
2009年に開設されたウェブサイトGeniusでは、さまざまな楽曲の歌詞を詳細な補足説明・注釈・相互リファレンスなどをまじえて記録している。 こうした賞賛すべき仕事に加え、彼らは『Deconstructed』と題されたビデオシリーズを展開しており、現代のヒップホップならびにポップ・シーンでヒットした楽曲群を詳しく分析している。 簡単に説明すると、Deconstructedではヒット曲を生んだプロデューサー本人が、そのビートメイクにおける着想から完成にいたるまでの制作プロセスをすべて明かしているのだ。
Ableton Liveユーザーにとって、Deconstructedシリーズはあらゆるヒントやトリックの宝庫となっている。そこで、今回はこのシリーズの中から必見のエピソードを5本紹介しよう。 Deconstructedのシリーズ全体はこちらで確認できる。
※ビデオの言語は英語のみです。
Kirk Knightが語るA$AP Ferg『Plain Jane』制作プロセス
Kirk Knightがサンプリングの達人である事実は、2016年にAbletonが行なったインタビューからも明らかになっている。 よって、彼がA$AP Ferg『Plain Jane』の制作プロセスを明かしたこのビデオがきわめて高度なサンプリング講座と呼べる内容であることは、けして驚きではない。線路のジョイント音やTVのホワイトノイズといったサンプルを使い、ビートに個性を加える方法をチェックしてみよう。
Ludwig Göranssonが語るChildish Gambino『Redbone』制作プロセス
さまざまな楽器を演奏できる強みをこのエピソードで示しているのは、スウェーデン出身のミュージシャン/映画音楽作曲家であるLudwig Göranssonだ。 GöranssonはLiveを駆使しながらMellotron、Rhodes、Roland Juno-106などのヴィンテージ楽器やクラビネットを録音し、Funkadelicに触発された2016年のヒット曲『Redbone』を作り出してみせた。
Steliosが語るYoung Thug & Elton John『High』制作プロセス
ニューヨークを拠点にするプロデューサー、SteliosはYoung ThugとElton Johnという音楽界の両極に位置する2人のアーティストを束ねるというチャレンジに取り組んだ。 その秘訣には、巧妙なサンプルストレッチとおびただしく重ねられたエフェクトという独自のレシピが存在していた。
Brasstracksが語るChance The Rapper『No Problem』制作プロセス
Brasstracksもまたニューヨークを中心に活動するプロダクションデュオだ。ちなみに彼らはAbletonで人気の別のシリーズでも面白いエピソードに出演している。複雑なワープやピッチ調整のテクニックを駆使しながら、Kanye West風のゴスペルアンセムを作りあげていく過程をチェックしてみよう。
BREGMAが語るLogic & Eminem『Homicide』制作プロセス
LogicとEminemがこのビートを買い上げた当時、ロサンゼルスのプロダクション・トリオであるBREGMAは結成後まだ間もない時期だった。 トリオとしての強みを生かし、お互いにクリエイティブな刺激を与えあうオープンな態度で各メンバーがトラックにおけるセクションを提案している。