持論:Coco Solidが語る“音楽産業のパラダイムシフト”
2018年に開催したサミット「Loop」では、単独でプレゼンテーションを行うプログラムが新たに始動し、複数のプレゼンターを招いて個人的に大切な音楽制作の一面を短い時間で語ってもらった。 今回は、Coco Solidによるプレゼンテーションの模様を紹介する。 ニュージーランドのオークランドを拠点に活動するCoco Solidは、パンク/ラップのアンダーグラウンドシーンで頭角をあらわし、Parallel Dance Ensembleとのワイルドなディスコラップをはじめ、Badd Energy とのスワンプパンク・グランジエレクトロや、9人編成のコレクティブFanau Spaとのとがったラップなど、さまざまな作品を発表してきた。
音楽作品の発表と並行して彼女が率いているのが、Kuini Qontrolだ。Coco Solidいわく「レーベル、パーティー、ポッドキャストの偶発的な集合体」だというKuini Qontrolを利用して、彼女は、女性、LGBTI、クィアなど、社会で抑圧されている人々の声を広く届けようとしている。 Loopでは、Coco Solidの信念が表明された。それは、従来の音楽産業から除外され続けてきた人々が、単なる消費物にとどまらない音楽の可能性を取り戻すカギを握っている、というものだ。